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ハイビジョンハンディカム HDR-HC1

ハイビジョンハンディカム HDR-HC1

2005年12月20日 00時00分更新

文● 伊藤裕也

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コンパクトかつ軽量なHDV 1080i対応機

 今回のテストでは、夏休みの家族旅行を想定して多摩動物公園にお邪魔した。まずHDR-HC1を手にしたところ、そのサイズはスペックどおり、最近のDVカムコーダなどと比較するとやや大きめ。重量も標準付属のバッテリ(NP-M50)使用時の重量で約780gと若干重い。もっとも、ボディの形状が横型で扱いやすいことから、サイズ・重量ともに許容できる範囲内ではある。ちなみに一般のユーザー向けモデルであるため敢えて最近のDVカムコーダを引き合いに出したが、同じHDV 1080iに対応する同社のHDR-FX1のサイズは幅151×奥行き365×高さ181mmで重量は約2kg。HDR-FX1と比較すればサイズは約1/2で、重量に至っては1/2以下である。1080i対応のモデルとしてはコンパクトかつ軽量だ。

DCR-PC1000 HDR-HC1 HDR-FX1
DCR-PC1000HDR-HC1HDR-FX1
DCR-PC1000は手の中サイズで重量も撮影時で500g以下と軽量。お手持ちのバッグの中に入れて持ち歩くことも無理ではないだろう。一方HDR-HC1は片手で扱うにはやや大きめ。重量が1kg以下であり、また、扱いやすい形状なので撮影そのものは楽だが、持ち歩くには専用のバッグがぜひとも欲しい。HDR-FX1はご覧のとおりの大きさで、両手で支えあければならない。扱うにはそれなりの気力と体力が必要
ボディ後面
録画のスタート/ストップやズームなど基本的な操作に関するコントローラは、録画ボタンは後面でズームコントローラは側面上部と、よくある一般的なレイアウト

 録画のスタート/ストップやズームなど基本的な操作に関するコントローラは、録画ボタンは後面でズームコントローラは側面上部と、よくある一般的なレイアウト。基本的な操作だけであれば(手ぶれが激しくなるのでオススメはしないが)片手でも撮影可能だ。また、最近のハンディカムでおなじみの液晶パネル脇のボタンも搭載。録画のスタートやズームに関する操作を液晶パネルから操作でき、ローアングルでの撮影はもちろんカムコーダをやや高く掲げての撮影などにも余裕で対応する。映像の確認はビューファインダーも付属するものの、基本的には2.7インチのワイド液晶パネルを用いるように考えられているようだ。2.7インチの液晶パネルで1080iによるHDビデオの確認を行なうことから、フォーカスが合っているかどうかなど映像をきちんと確認できるかという点が気になるところだが、これに関しては映像の中央部分を2倍に拡大表示する“拡大フォーカス”という支援機能の搭載によりクリアしている。「撮影した映像をハイビジョンテレビで表示したらすべてピントがボケていた」では目も当てられないだけに、この機能でしっかり確認しておきたい。



チーターの展示ゾーン。被写体との距離は15m程度だ
【作例4-a】ワイド端の焦点距離は16:9での映像撮影で41mm(35mm換算)。距離をとって撮影しているにも関わらず、拡大するとおぼろげながらチーターの顔や模様まで確認できる。このディテールの細かさがHDV最大の魅力だ【作例4-b】チーターを中心に元画像を640×480ドットでトリミングしたもの
【作例5-b】ズーム倍率は光学で最大10倍。テレ端の焦点距離は480mm(35mm換算)だ。なお、20m前後離れた程度の被写体までであればこのようにバッチリ狙えるが、運動会などのイベントで子供を撮るような場合には念のためにオプションのテレコンバージョンレンズ(いわゆるテレコン)も用意しておきたい【作例5-b】チーターの頭部を中心に元画像を640×480ドットでトリミングしたもの


【作例6-a】スカイウォークをすいすい渡るオランウータン【作例6-b】元画像のオランウータンの顔部分を200%に拡大したもの
ビデオフォーマットにMPEG-2を採用しているので、動きの激しいシーンなどではブロックノイズが発生する。映像として見ている分には問題ないが、一時停止したときに気になる人はいるかもしれない

 撮影機能に関していえば、リング操作によるマニュアルフォーカスや9段階の調整幅を持つAE/ホワイトバランスのシフト機能、2パターンの設定(70%・100%)から選択できるゼブラ機能(※1)、あらかじめ登録したズーム・フォーカスなどの操作を滑らかに再現できるショットトランジション機能の搭載など、撮影にこだわりを持つ人に嬉しい機能も充実している。特にマニュアルフォーカスやAE/ホワイトバランスのシフト機能はなにかと使用する機会が多いだけに、これらの機能が搭載されている点は助かる。

※1 露出がオーバーしそうな場所を縞模様で明示して、露出補正を促す機能

ホワイトバランスの設定画面AEシフトの設定画面
AEシフトとホワイトバランスの操作は液晶パネルから。タッチパネルでの操作なので素早く設定を変えることは難しいが、メニューのトップ階層から直接機能を呼び出せるためイライラするようなことはない
色が白くとんでしまう部分をアニメーション表示するゼブラ。HDR-HC1ではこのゼブラを表示する閾値を70%と100%の2種類から選べる。なお、液晶パネル右下にあるとおり、ヒストグラムを表示させることも可能だ

 気になるバッテリの持続時間は、標準で付属するリチウムイオンバッテリ「NP-FM50」で試したところ、実測で40分程度。こまめにパワーを落とすなど極力努力したつもりだが、公園を3時間ほど歩いたところでバッテリ切れによりロケが終わってしまった。ソニーのカタログによると、実撮影時間はHDVで40分、DVでは50分という。miniDVカセットで記録できる時間よりも短く、これでは不安が残る。夏の行楽に使うのであれば、オプションのリチウムイオンバッテリが必須だ。オプションのNP-QM71Dではカタログによると実撮影時間で1時間50分ほど撮影できるようなので、今回のようなケースに使うのであればNP-QM71Dが2つは欲しい。

HDR-HC1で採用している記録メディアはminiDVカセット。家電量販店などで簡単に入手できるDVカムコーダ用のメディアをそのまま使用できるわけだ

ナイトショットも搭載

ナイトショット機能使用時に光るライト。ナイトショットではこのライトにより被写体を照らし出して撮影を行なう

 HDR-HC1ではハンディカムシリーズでおなじみの撮影機能“ナイトショット”も搭載している。ナイトショットとは、夜間の撮影など通常のカムコーダでは撮影不可能な暗い場所での撮影を実現するモード。赤外線を照射して、その反射を撮像素子で感知し、映像として記録する。眠っている子供の顔を撮影したい場合や夜行性の動物を観察する際に威力を発揮する機能だ。



【作例7-a】カエル(ナイトショット不使用)【作例7-b】カエル(ナイトショット使用)
【作例8-a】ネコ(ナイトショット不使用)【作例8-b】ネコ(ナイトショット使用)
暗い場所での撮影をサポートするナイトショット機能も搭載。通常の撮影では難しい状況でも、ナイトショット機能を用いればこのように撮影できる。被写体は筆者宅付近の小動物

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