AVC、デジタルオーディオプレーヤー“SIGNEO”シリーズに新製品6モデルを追加──iPod nanoより薄いマーク・ニューソン氏デザインのプレーヤーも
2005年10月26日 04時52分更新
(株)AVC Technology Japanは25日、デジタルオーディオプレーヤー“SIGNEO”(シグネオ)シリーズの新製品6機種と周辺機器2機種を発表した。価格はいずれもオープンプライス。11月から順次出荷を開始する。
SN-A800 | SN-H1000 | SN-M550 | SN-F170 |
SN-F120 | SN-A250 | SN-DS10 | SN-TX10 |
今回発表された6製品は、いずれも個性的な特徴を持っているが、特に目玉と言えるのが、オーストラリア出身の世界的なインダストリアルデザイナー、マーク・ニューソン(Marc Newson)氏が手がけた『SN-A800』。約6.5mmと薄型のシリコンオーディオで、右上にハーフミラー加工が施された円形の有機ELディスプレーを配置している。
6.5mmという厚さはアップルコンピュータ(株)が9月に発売した『iPod nano』(厚さ6.9mm)よりもさらに薄いサイズ。カラー液晶こそ搭載していないが、FMラジオ、MP3形式でのボイスメモ/ダイレクトエンコーディング機能など機能面での豊富さが光る1台になっている。
マーク・ニューソン氏がデザインした注目モデル
3色のカラーバリエーションを用意する | 下にマーク・ニューソン氏のサインがある |
ヘッドホンのある上部、非常に薄型 | デザイン的な特徴となっている丸型の有機ELディスプレー |
SN-A800の操作ボタンはカード電卓のように整然と4行×3列に並べられ、ボイスメモの録音やダイレクトエンコーディングの機能もワンプッシュで呼び出せるよう工夫されている。シリコンオーディオには珍しい“電源ボタン”も本体の左上に設けられている。主なスペックと直販サイト“SIGNEO eDirect”での販売価格は下記のとおり。
- SN-A800
- メモリー容量:512MB、1GB
- 対応形式:MP3、WMA(DRM対応)、OggVorbis、WAVE
- FMラジオ
- ボイスメモ、ダイレクトエンコード(MP3形式)
- ディスプレー:有機ELディスプレー(128×64ドット)
- 再生時間:最大11時間(リチウムポリマー充電池)
- USB 2.0マスストレージ対応
- サイズと重量:幅50×奥行き6.5×高さ68mm、30g。
- カラー:ブラック、イエロー、ブルー
- 直販価格:1万8800円(512MB)、2万3800円(1GB)、11月~12月発売予定
SIGNEO初のHDD内蔵型プレーヤー『SN-H1000』
『SN-H1000』は、SIGNEO初のHDD内蔵型プレーヤーで、本体には容量8GB(1インチ)のHDDを内蔵している。
シルバーとブラック | TFT液晶を装備しており、動画もかなり鮮明に見える |
操作部分はホイールとなっており、メニュー操作などに利用できる | 側面から見たところ |
ディスプレーには解像度128×160ドット/26万色表示に対応した1.8インチのTFT液晶パネルを採用。MPEG-4動画の再生が行なえる。また、JPEG、BMP、TXT形式の表示も可能。歌詞表示機能も備える。同社直販サイト“SIGNEO eDirect”の販売価格は2万9800円を予定している。シルバーとブラックの2色が選べる。
- SN-H1000
- HDD容量:8GB(1インチ)
- 対応形式:MP3、WMA(DRM対応)、OggVorbis、WAVE
- JPEG、BMP、TEXT、MP4
- FMラジオ
- ボイスメモ、ダイレクトエンコード(WMA形式)
- ディスプレー:カラーTFT液晶ディスプレー(128×160ドット、26万色)
- 再生時間:最大12時間(音楽)、最大6時間(リチウムポリマー充電池)
- USB 2.0マスストレージ対応
- サイズと重量:幅53.8×奥行き14.8×高さ91.5mm、87g。
- カラー:ブラック、シルバー
- 直販価格:2万9800円、12月発売予定
最大130時間の長時間再生がウリの『SN-M550』
長時間再生にこだわったSN-M550 |
『SN-M550』は“長時間駆動”をテーマに開発された製品。最新型のリチウムポリマー充電池を採用し、最大130時間の音楽再生が可能。AVC Technology Japanでは「現在最もバッテリーが持つと言われるソニー(株)の『NW-E505/507』の50時間を大幅に上回る数値で、毎日2時間の使用なら2ヵ月以上充電なしで使用し続けられる」としている。
- SN-M550
- メモリー容量:512MB、1GB
- 対応形式:MP3、WMA(DRM対応)、OggVorbis
- FMラジオ
- ボイスメモ、ダイレクトエンコード(MP3形式)
- ディスプレー:有機ELディスプレー
- 再生時間:最大130時間(リチウムポリマー充電池)
- USB 2.0マスストレージ対応
- サイズと重量:幅65×奥行き21.7×高さ44.9mm、68g
- カラー:シルバー、ホワイト
- 直販価格:1万7800円(512MB)、2万2800円(1GB)、12月発売予定
SDメモリーカードへの録音が可能な『SN-F170』
『SN-F170』は本体にSDメモリーカードスロットを搭載し、SDカードへのダイレクト録音が可能なモデル。
SDメモリーカードに対応したSN-F170、表面はハーフミラー |
手ごろな価格のメディアに交換して容量を簡単に拡張できるほか、メモリーを内蔵しないぶん本体価格を抑えているため、すでに所有しているカードを使用すれば低コストでプレーヤーを導入できる。また、ダイレクトエンコーディング機能も搭載しているので、アルバム単位やテーマごとに音楽を収録するカードを入れ替えて、気分に合わせた楽曲を選択するといった使い方もできる。本体にカードは付属しないが、1GBのメディアでも実売6000円程度からあり、将来的にさらに低価格化が進むことを考えると割安感もある。
- SN-F170
- SDメモリーカード対応、最も低価格
- 対応形式:MP3、WMA(DRM対応)
- FMラジオ
- ボイスメモ(WAVE形式)、ダイレクトエンコード(MP3形式)
- ディスプレー:有機ELディスプレー(96×64ドット)
- 再生時間:最大15時間(リチウムポリマー充電池)
- USB 2.0マスストレージ対応
- サイズと重量:幅35×奥行き11.8×高さ72mm、未定
- カラー:シルバー、オレンジ、ブルー
- 直販価格:1万1800円、12月~1月発売予定
ボタン形状を工夫した個性的なデザイン『SN-F120』
ボタン部分が個性的 |
『SN-F120』はハーフミラーのフロントパネルにカラフルなボタンを3×3個配置した個性的なデザインが特徴。今回発表された6製品ではエントリー機という位置づけで、対応する音楽形式がMP3とWMA(DRM対応)のみとなるが、唯一容量2GBのモデルが用意されている。MP3形式でのボイスメモとダイレクトエンコーダーも搭載する。
- SN-F120
- ボタン形状を工夫した個性的なデザイン、唯一の2GBモデル
- メモリー容量:512MB、1GB、2GB
- 対応形式:MP3、WMA(DRM対応)
- FMラジオ
- ボイスメモ、ダイレクトエンコード(MP3形式)
- ディスプレー:有機ELディスプレー
- 再生時間:最大14時間(単4乾電池)
- USB 2.0マスストレージ対応
- サイズと重量:幅76×奥行き13.2×高さ39.7mm、44g(電源込み)
- カラー:ホワイト、オレンジ、ブルー
- 直販価格:1万3800円(512MB)、1万7800円(1GB)、2万4800円(2GB)、12月発売予定
シンプルなデザインのアクセサリー型プレーヤー『SN-A250』
非常にシンプルなデザイン | 有機ELディスプレーを点灯させたところ |
『SN-A250』はコンパクトでシンプルなデザインを重視したネックレス型のプレーヤーで、MP3形式とWMA(DRM)形式の再生が可能。今回発表された製品の中では最もシンプルな機能を持つ製品となっており、必要最小限の機能をスタイリッシュに持ち運びたいユーザーがターゲットになる。
- SN-A250
- アクセサリー型のシンプルなデザイン
- メモリー容量:512MB、1GB
- 対応形式:MP3、WMA(DRM対応)
- FMラジオ
- ボイスメモ(WAVE形式)
- ディスプレー:有機ELディスプレー
- 再生時間:最大18時間(リチウムポリマー充電池)
- USB 2.0マスストレージ対応
- サイズと重量:幅35×奥行き11.8×高さ72mm、31g
- カラー:シルバー
- 直販価格:1万5800円(512MB)、1万9800円(1GB)
外付けスピーカーやミニコンポ接続用のトランスミッターも発売
上記のオーディオプレーヤー6製品に加え、音楽プレーヤーをUSB差して音楽を再生できる外付けスピーカー『SN-DS10』、Bluetoothを利用してパソコンやDAPの音を送信してミニコンポなどで聴けるBluetoothワイヤレスシステム『SN-TX10』も発表となった。
SN-DS10 | USBポートは側面にもある |
SN-DS10は製品カテゴリーはスピーカーだが、据え置き型の音楽プレーヤーといってもいい構成で、上面のUSBポートに、USBマスストレージクラス対応のプレーヤー(またはUSBメモリー)を差して使用する。また、128MBのフラッシュメモリーも内蔵しており、プレーヤーから音楽ファイルをコピーできる。内蔵の時計機能と組み合わせることで、目覚ましタイマーとしても使えるという。
再生可能な音楽ファイル形式はMP3とWMA。内蔵するスピーカーの出力は2.5W×2(8Ω)。USB端子は上面のほかに、側面にもminiコネクターを備える(ともにUSB 1.1対応)。本体にはヘッドホン出力と、AUX入力も装備する。本体サイズは幅162×奥行き158×高さ92mmで、重量は約470g。直販価格は未定。
SN-TX10はミニコンポなどに接続するレシーバー部分と、音楽データをBluetoothで送信するトランスミッター部分からなる。レシーバ部分は1系統の光出力(アナログステレオミニジャック共用)と1系統のライン出力を装備する。本体サイズは幅121×奥行き76×高さ26mmで、重量は170g。電源はDC12VのACアダプターで、これは車載使用を意識したものだという。
レシーバー部分 | トランスミッター部分 |
トランスミッター部には、パソコンとの接続に利用するUSB端子(miniコネクタ)と、オーディオプレーヤーなどを接続するアナログのステレオミニジャックを装備。本体サイズは幅98×奥行き20×高さ30mmで、重量は45g。無線の到達距離は見通し8m。直販価格は未定。
背面。アナログ出力のほか光デジタルオーディオ出力も装備する |