今回取材を行なったウォークマンルームには、25周年の歴史を飾る歴代のウォークマンが陳列されている。現代のウォークマンを手がけた原口・西内の両氏にとって“ネットワークウォークマン”とはどんな存在かと投げかけてみた。
プロダクトリーダーの原口氏は、通信機器の開発を経てネットワークウォークマンの開発に加わった |
西内氏はNW-HD5を企画するにあたって「ウォークマンのDNAを受け継ぐこと」を念頭に置いたという。
原口氏は、NW-HD5でプロダクトリーダーを務めたが、オーディオ機器を手がけたのは、実はNW-HD1が最初だったという。原口氏は、ソニーに入社以来最近まで、主に通信機器を中心に手がけてきた。
棚に並んだ歴代のウォークマンを眺めて自然と思い出話が始まるのは開発者も同じだ |
その後、ソニーはXM Sateliteから撤退し、原口氏は1セグのデジタルラジオのプロトタイプを開発した。電波の止まる夜を狙って実験なども行なったという。
NW-HD1の開発が始まったのは、この実験がちょうど終わったタイミングだった。電気グループのリーダとして、NW-HD1の基板設計を担当し、NW-HD5ではプロダクトリーダとして現場の指揮を担当した。そんな原口氏は、高校時代に友人が買ったウォークマン『WM-GD』に強い印象を持っているという。
ウォークマンのうち、特にエポックメイキングな製品が並んだ展示用の棚 |
デジタルオーディオプレーヤーの市場でここのところ苦戦を強いられていたソニーだが、新機種の投入により再び活気を見せつつあるのは冒頭で述べたとおりだ。原口氏は言う。
ウォークマンルームに並んだ歴代のウォークマンからは、時間を超えて古くならない不思議な魅力を感じる。これから登場する“ネットワークウォークマン”が、果たして25年のウォークマンの伝統を受け継ぎ、新しいウォークマンの歴史を作れるのか。ウォークマンの挑戦はまだまだ続く。