写真1 直線で構成されたシンプルかつ高級感漂うデザインになった「Prius Deck DS73L」。 |
「Prius Deck DS73L」(以下DS73L)は、2番組同時録画が可能なデスクトップPC。複数の映像ストリームのエンコードを1チップでこなすViXS社の「XCodeII」が採用されている。このチップは今年、PC周辺機器や家電などに多く採用されることが予想され、それを先取りする形で搭載したことは評価したい。ビットレートは8M/6M/4M/3.5M/3M/2Mbpsと6段階の設定が可能で、フレームサイズはフルD1(720×480ドット)共通。2MbpsでフルD1は厳しい気もするが、XCodeIIは低ビットレートでもブロックノイズを低減できるのが特徴で、実際には比較的綺麗な画質で録画できる。
画像の美しさ、特に艶っぽい表現に秀でた同社の液晶モニタだが、今回付属の17型ワイド液晶モニタもデザインを一新した。スピーカとウーファを下方に配置。左右の面積を縮め、PCを使う際の目線の高さも上がったことで、より見やすくなった。なお、上位機種「DS75L」(実売38万円前後)には23型ワイド液晶TV「Wooo」が付属する。
60分の番組を6分で確認!
「いいとこ観」機能
画面 「PriusNavistation 3」では2番組同時表示が可能。ただし音声は左側に表示されている番組のみ再生される。 |
DS73Lで最も注目したいのは新しいAV統合ソフト「PriusNavistation 3」だ。このソフトはTV録画、視聴、EPG(電子番組表)取得、DVD/CD再生、各種ファイル閲覧機能が統合されている。前述の通り、2番組の同時録画はもちろん、2番組同時視聴も可能。さらに「いいとこ観」という新たな機能を実装した。これは野球のバッターボックスのシーンやサッカーのゴールシーンなど、録画済みファイルの重要な場面のみ抜き出して再生してくれるもの。再生率をパーセントで指定でき、例えば6%に設定すれば60分番組を6分にまとめて再生してくれる。
具体的には録画データの映像と音声の変化量でシーンの重要度を判断し、声援の大きくなる前後を抜き出す。例えば野球であればバッターが打った後、声援が大きくなった部分を中心に抜き出し、サッカーなら選手がゴールに向かうまでの声援がピークに達する前を中心に抜き出す。このように番組ジャンルごとに重要視するシーンが異なるため、「モード」という形でジャンルを切り替える必要があり、現在「野球」と「サッカー」のみだが、これは順次追加されていくという。
ホームネットワーク&リモコン操作に対応
写真2 TVチューナーカードは1枚だが、チューナを2つ実装。これにより2番組の同時録画が可能だ。 | 写真3 DS73Lの背面。非サポートではあるが、PCI Expressスロットも装備する。 |
そのほかPriusNavistation 3ではリモコンのみで操作できるように10フィートGUIモードを追加。さらに松下電器のホームネットワークソフト「MediaStage」の機能を統合することで、DiXiMのサーバ/クライアント機能も実装。DiXiMがインストールされたほかのPCや対応HDDレコーダの動画ファイルをネットワーク経由で視聴できる。
250GBのHDDに2番組を同時録画できる。ここまでは現状のHDDレコーダや他社のテレパソでもできるが、その録り溜めた大量の動画を観きれない人も多いはず。そんな状況にある人たちにDS73Lのいいとこ観機能は魅力だろう。
Prius Deck DS73Lの主なスペック | |
製品名 | Prius Deck DS73L |
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CPU | Pentium 4 530(3GHz) |
メモリ | 512MB |
チップセット | Intel 915GV |
HDD | 250GB |
光ドライブ | DVDスーパーマルチ(DVD+R DL対応、2.4倍速書き込み) |
ビデオ | チップセット内蔵 |
カードスロット | SDメモリーカード、メモリースティック |
PCカード | TypeII×2 |
I/O | USB 2.0×6、IEEE1394×1、1000BASE-T LAN、アナログRGB |
拡張スロット(空き) | PCI×3(1)、PCI Express×1(1) |
付属液晶モニタ | 17型ワイド |
OS | Windows XP Home Edition |