デル(株)は11日、“インテル エクステンデッド・メモリ64テクノロジ(EM64T)”に対応するXeon MPを搭載した64bit 4Wayサーバー『PowerEdge 6800』および『PowerEdge 6850』を同日に発売すると発表した。最小構成価格は、『PowerEdge 6800』が71万1900円、『PowerEdge 6850』が79万650円。
『PowerEdge 6800』 | 『PowerEdge 6850』 |
『PowerEdge 6800』と『PowerEdge 6850』の主な特徴や用途 |
筐体天面のカバーを外した『PowerEdge 6850』。本体後部に取り付けられているカートリッジがメモリーのライザーカード(写真右はカード部の拡大) |
メモリーはDDR2 400対応デュアルチャネルDDR2 SDRAM(ECC対応)で、最大メモリー搭載容量は64GB(現時点では32GBまで。後日発売の4GB DIMMモジュールを利用することで64GBまで搭載可能となる)。『PowerEdge 6850』は、同社独自のホットプラグ対応ライザーカードにメモリーモジュールを装着し、システムを停止せずにライザーカードの交換が可能。各ライザーカードには2つのメモリーバンクが用意されており、
- スペアリング
- 一方のバンクをアクティブ、もう一方をスペアとし、障害発生時にバンクを切り替える
- ミラーリング
- 一方のバンクのデータを、もう一方のバンクにミラー
- RAID
- ひとつのライザーカードを1台のHDDのように見立て、RAID 5のように動作させる
といった機能を持つ。
このほかのスペックは、チップセットがIntel E8500、ホットプラグ対応のHDDはUltra320 SCSI接続で、最大容量/台数は『PowerEdge 6800』が3.6TB/12台、『PowerEdge 6850』が1.5TB/5台、拡張スロットはPCI Express×4およびPCI-X×3(『PowerEdge 6850』ではこのうちPCI Express×4とPCI-X×1がホットプラグに対応)、ホットプラグ対応の1+1冗長化電源(『PowerEdge 6800』ではオプション)、ロードバランシングまたはフェールオーバー対応のGigabit Ethernet×2、など。
システム管理ソフトとしては、従来製品からバージョンアップが行なわれた『OpenManage 4.3』が標準で搭載される。今バージョンでは、同社ホームページからBIOSやドライバーの最新情報を取得/適用する変更管理機能を新たに搭載し、マイクロソフト(株)の『Microsoft System Management Server 2003』などの管理ツールと連携し、サーバーのBIOS/コンポーネントのファームウェア/ドライバーなどの一元管理や、セキュリティーパッチやOSなどのソフトウェアの自動配布/計画更新などの実施が可能。
対応OSは、Windows 2000 Server/Advanced Server、Windows Server 2003,Standard Edition/Enterprise Edition、Red Hat Enterprise Linux 3。なお、最小構成時のスペックは両機種ともに、CPUがEM64T対応Xeon MP-3.16GHz×1、メモリーが512MB×2、HDDが36GB×1、OSなし、サポートパッケージが“シルバー”(3年間、24時間電話テクニカルサポート、3年間パーツ保証、ソフトウェア電話サポート、当日/当日4時間/当日4時間プラス対応オンサイト保守サービス)、など。
エンタープライズマーケティング本部ソリューション本部長の多田和之氏 |
新しいデータセンターのモデル |
デル・プロフェッショナル・サービス事業部技術本部長の諸原祐二氏 |
多田氏に続いて登壇した、デル・プロフェッショナル・サービス事業部技術本部長の諸原祐二氏は、この日発表された“Dell|EMC”ストレージ製品の定期診断サービスをはじめとする同事業部のサービス体制強化について説明した。
諸原氏によると、サービス体制の強化点は大きく次の3点。
- “Dell|EMC SAN ヘルスチェック・サービス”
- 専任エンジニアによる“Dell|EMC”ストレージ製品の定期診断サービス。定期訪問によるSAN環境の確認/解析と、診断結果報告と改善案の提示を行なう。SAN環境の予期しない障害の未然防止、重大障害の可能性の減少、将来のシステム拡張への準備などを目的とする。20日にサービスを開始。
- スケーラブルシステムを導入する顧客に対する支援体制の強化
- 顧客のシステム環境の技術検証などを行なう“デル・テクノロジー・ソリューション・センター”の規模(スペース)の拡大(7月末まで)、人員の強化(年内に現在の約70名体制から150名体制に)。
- 64bitの標準化を促進し、データベースサーバーへの適用を加速するソリューションの提供
同社では、これらの取り組みにより、
- Tier 3におけるUNIXマイグレーション
- ミッションクリティカル分野でのスケーラブルコンピューティング
- よりプロアクティブな障害予防サービス
を促進していくという。