高画質化機能は
プレーヤやコンテンツの種類で制約を受ける
写真4 ブリッジメディアスロットは、1つのスロットでSDカード、メモリースティック、xDピクチャーカードに対応するスロット。 |
Qosmioの高画質化機能の数々は魅力的だが、多少制約もある。表示に使うプレーヤやコンテンツの種類によって、使えない高画質化機能があるためだ。例えば全画面でのTV表示の場合、Qosmio Playerではデブロッキングやデリンギングといった機能が有効になるが、Windows XP上の録画・再生ソフト「WinDVR 3」では使われない。またTV(VHF/UHF入力)では使われないが、ビデオ入力端子からのモニタ入力では使われる機能もある。ここらは少々分かりにくいし、せっかくの機能がもったいない。将来の改善が望まれる。
画面1 AVアプリの統合フロントエンドとなる「Qosmio UI」。プリセットのアプリ以外もユーザーが任意に登録できる。 | 画面2 Windows上でのTV再生、録画はInterVideoの「WinDVR 3」で行なう。ただし高画質化機能のすべてを使えるのは、Qosmio Playerのみ。 |
肝心の画質だが、今回使用したのが製品版以前の評価機ということで正確な論評をできないが、Qosmio PlayerでのTV表示はなかなかにきれいだ。状態の悪い映像信号でも、ゴーストリダクションやデリンギングが有効に作用して、見られる映像を作り出している。一方WinDVRでの表示は、ブロックノイズが目立つ、色調がQosmio Playerと異なり暗めに見えるという現象があった。Qosmio Playerでの再生のほうが画質面では上と感じる。
WinDVRでの再生時は、ライブ放送であっても一旦MPEG-2エンコードされた映像を表示している。一方のQosmio Playerでは、ライブ放送はパススルーされてエンコードを経ずに表示される。こうした要素もQosmio PlayerとWinDVRでの画質の差に影響していると考えられる。
意外にパワーも十分
3Dゲームもこなせる
QosmioにはAVアプリケーションや関連する設定のフロントエンドとなる、「Qosmio UI」という独自アプリケーションが用意されている。WinDVRやWinDVD、Windows Media PlayerやBeatJamといったAVアプリケーション群を、分かりやすいグラフィカルなメニューから呼び出せる。
ただどうせならさらに一歩進んで、ソニーの統合AVアプリケーション「Do VAIO」のように、共通したUI上で各コンテンツの再生や編集ができるようになると、もっと使い勝手は向上するのではなかろうか。
写真5 本文中では記せなかったが、Qosmioは音質にもこだわっている。写真は口径30mmφの内蔵スピーカ。SRSサラウンド機能も備える。 |
最後にPCとしての性能にも触れておこう。CPUには動作周波数1.4GHzのCeleron M 330を搭載。DVD±RWやDVD-RAMへの記録が可能なDVDスーパーマルチドライブを内蔵している。Pentium MノートだとGPUはチップセット内蔵機能を使っている製品が多いが、E10/1KCDEとE10/1KLDEWはGPUにGeForce FX Go 5200を搭載しているので、特に3Dグラフィック性能は強力だ。3DMark 03では1231 3DMarksを記録。グラフィック負荷の高いネットワークRPG「Lineage2」も、事前に想像した以上に軽快に動作した。ただし標準搭載メモリ量が256MBなので、快適さを求めるなら512MB以上に増設することをお勧めする。
TV録画機能を持つノートPCは各社から発売されているが、QosmioほどAVの品質にこだわった製品は他にない。デスクトップPC並みのAVノートが欲しいという欲張りなユーザーにもお勧めできる。
Qosmio E10/1KCDEの主なスペック | |
製品名 | Qosmio E10/1KCDE |
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CPU | Celeron M 330-1.40GHz |
チップセット | Intel 855PM |
メモリ(最大) | PC2700対応DDR SDRAM 256MB(2GB) |
グラフィックス | GeForce FX Go 5200(64MB) |
液晶 | 15型/1024×768ドット |
HDD | 80GB |
光メディアドライブ | DVDスーパーマルチドライブ(DVD-RAM:3倍速/DVD-R:8倍速/DVD-RW:4倍速/DVD+RW:4倍速/DVD+R:8倍速) |
スロット | PCカード(TypeII×1、CardBus対応)、ブリッジメディアスロット×1 |
通信 | 10/100BASE-TX、V.90準拠56kbpsモデム(世界61地域対応) |
I/O | USB 2.0×4、IEEE 1394(i.LINK)、ビデオ入力(S/コンポジット)、ビデオ出力、外部ディスプレイ出力、光デジタルオーディオ/ヘッドホン/ライン兼用出力など |
バッテリ駆動 | 約2.4時間 |
サイズ(W×D×H) | 338×285×43.1mm |
重量 | 3.7kg |
OS | Windows XP Home Edition |