画像閲覧ソフトとしては老舗の“ACDSee”シリーズがバージョンアップして「超高速デジカメソフト ACDSee 6.0」(以下ACDSee 6.0)となった。「ファイル管理とは何か?」を徹底追究した従来のUIはそのままに、さらに自由度を高めた(画面1)ほか、携帯電話など流行デバイスへの対応を進めた仕上がりになっている。ラインナップは従来通り、ACDSee本体のみのものと、画像加工をはじめとしたユーティリティソフト4つがバンドルされた「パワフルイメージングソフトウェア ACDSee 6.0 PowerPack」の2つとなっている。今回はACDSee 6.0(β版)を試用し、レポートする。
“バスケット”機能が追加され進化したUI
画面1 ウィンドウをフローティングして使えるようになったACDSee 6.0。もともとのUIが優れているうえ、自分好みにカスタマイズできるので、使い始めると離れられなくなる。 |
ACDSeeシリーズのUIは、Windowsエクスプローラライクで違和感なく使い始められるうえに、カスタマイズも可能という特徴があるが、6.0になってさらに磨きがかかった。従来バージョンでも、“フォルダ”“カテゴリー”“カレンダー”“検索”といったタブを次々とクリックして、さまざまな角度からシステム内の全画像ファイルを閲覧することが可能だったが(画面2)、6.0ではさらに、“バスケット”と呼ばれるビューが追加された(画面3)。
画面3 バスケット機能。システム上のあらゆる場所から任意の画像を放り込める。ちょっとした作業に便利。 |
これは一時的な作業スペースとも呼べるもので、別々の場所に保存しているファイルをドラッグ&ドロップしてバスケット内に集め、画像加工やファイル操作を行えるものだ。異なった場所に散らばる画像ファイルに対して一括操作(印刷やサイズ変更など)する場合にも役立つし、テンポラリのフォルダを作って画像をコピーして加工……という作業スタイルをとる必要がなく、同じ画像を複数枚保存してしまうといった面倒も避けられる。ただ、バスケット上ではコピーや移動といったファイル操作ができないので、その点だけは注意が必要だ。
バスケット以外の目新しい点としては、各ウィンドウがフローティングするようになり、ユーザー独自の配置が可能になったことが挙げられる。フローティングしているウィンドウは、ACDSeeの外枠に近づければ磁石のように吸い付き固定される(画面1)。
そして、実はバスケットの実装以上に使い勝手が向上したと思われるのが、フォルダビューのチェックボックス機能だ(画面2一番左)。これは、フォルダアイコンの左に配置されたチェックボックスをオンにすることによって、複数フォルダ内のファイルを一括して詳細表示ウィンドウに表示することを可能にするものだ。例えば、月ごとにフォルダを分けている場合、昨年の4月の写真を収録した「200304」フォルダと、今年の「200404」フォルダの中身を同時閲覧可能だ。