KDDI、au design project発の薄型携帯電話『talby』を発表――サウンドトラックまで用意する“超”スタイル重視のモデル
2004年10月14日 16時50分更新
“au”ブランドの携帯電話サービスを提供するKDDI(株)/沖縄セルラー電話(株)は13日、デザイン開発事業“au design project”発の携帯電話『talby(タルビー)』を12月上旬に発売すると発表した。au design projectから生まれた携帯電話は、『INFOBAR』『W11K』(ともに2003年発売)に続く、第3弾となる。オープンプライスで、編集部による予想実売価格は2万円前後。
talby。カラーは左から“Hornet Green”“Orange Orange”“Hole Black” | talbyを手にするモデルたち |
talbyは、第2世代携帯電話サービス“CDMA 1X”向けの携帯電話で、A55xx番台の端末と同等仕様を持ち、GPSと連動した歩行者用経路案内サービス“EZナビウォーク”などのサービス/アプリケーションに対応する(後述)。ストレート形状で、本体のサイズは幅45mm×奥行き13mm×高さ132mm、重さは約79g。アンテナを内蔵する、フラットなデザインが特徴となっている。
フラットデザインのボディ | ストラップは上面にあいた横長の穴に通す。ネックストラップが付属 |
デザイナーのMarc Newson氏 | talbyが紹介されたのは“ビジネスシヨウTOKYO2003”(写真はワイヤレスジャパン2004のKDDIのセミナーより) |
talbyの最大の特長である外見は、オーストラリア出身のプロダクトデザイナーMarc Newson(マーク・ニューソン)氏とのコラボレーションによるもの。2003年発表のプロトタイプをベースに開発され、製造は鳥取三洋電機(株)が担当した。また着信音や効果音などのサウンドは、イギリス出身の音楽プロデューサーのNick Wood (ニック・ウッド)氏が担当するなど、外見だけでなく、スタイルに総合的に注力した製品となっている。ちなみにtalbyは、Marc Newson氏が命名した名前。John Carpenter(ジョン・カーペンター)監督が1970年代に手がけたSF映画“Dark Star”(ダーク・スター)のユーモアあふれる登場人物の名前なのだという。
コンセプトモデルのデザインを忠実に踏襲
都内で行なわれた発表会では、製品開発を担当したプロダクト統括部プロダクトデザインディレクターの小牟田(こむた)啓博氏が説明に立ち、デザインを担当したMarc Newson氏、サウンドを担当したNick Wood氏も駆けつけた。小牟田氏は、「緻密なエンジニアリングによって、世界に誇れるハイクオリティなデザインが完成した」と自信をみせた。また、「機能的でかつ、使いやすく、ちょっとしたユーモアがある。Marc Newson氏のデザインした画面表示の時計、スクリーンセーバーなどもふんだんに取り入れてある」と、製品の世界観を説明した。
開発を担当したKDDI プロダクトデザインディレクターの小牟田 啓博氏 |
次にMarc Newson氏が立ち、「携帯電話をデザインするのは初めて。talbyはシンプルでスタイリッシュなものをデザインしようと思った」と語った。talbyは、コンセプトモデルに近いデザインのまま製品となったことを明らかにし「これは非常にめずらしいこと」と述べた。
また、talbyのテーマソング“Free”を手がけたNick Wood氏が登場。「自分たちとしては、携帯電話にかかわるのは初めてだったが、この成果があまりに良かったので、サウンドトラックを音楽CDにして11月にリリースする。携帯電話(のサウンドトラック)としては、初めてのことだ」と述べ、talbyのサウンドについて満足しているとした。
音楽プロデューサーのNick Wood氏 |
CDMA 1Xの高性能機と同等の性能
talbyが対応する主なKDDI提供のサービスは、インターネット接続サービスの“EZweb”、EZナビウォーク、CD音源を元に作られた15~30秒程度のAACコーデックの楽曲データ“着うた”のダウンロード、“Macromedia Flash Lite”や“EZアプリ”(BREW)のアプリケーションのダウンロードなど。“CDMA 1X WIN”向けの端末ではないため、同日発表された1曲まるごと楽曲を配信する“EZ「着うたフル」”や、パケット通信の定額料金サービスには対応しない。
カメラは有効33万画素のCMOSタイプで、2次元バーコードの読み取りにも対応する。ディスプレーは、約2.1インチの(240×320ドット/26万色表示)TFT液晶パネルを採用する。データフォルダの保存容量は約8MBまたは1000件で、BREW用のデータフォルダ領域は約3MB。Eメールの送信BOX容量は約100KBまたは200件、受信BOX容量は約250KBまたは500件となっている。日本語入力機能は“ATOK+APOT”を搭載する。連続通話時間は190分で、連続待ち受け時間は約250時間。本体のカラーは“Hornet Green”“Orange Orange”“Hole Black”の3タイプ。カラー名称もデザイナーのMarc Newson氏が考えたものとなっている。
上部を横から見たところ | 底面にはデータコネクターが装備される | |
左側面にはメモと照明のボタン | 右側面には平形のイヤホンマイク端子とスライドタイプのキーロックスイッチ。そして、talbyのロゴと“Marc Newson”のサイン |
別売で用意される専用のキャリングケース |