増え続けるネットワーク対応家電と
室内を這い回るケーブル
4年に一度のオリンピックイヤーに当たる今年、開催地は近代オリンピック発祥の地ギリシア・アテネへと戻り、この夏は日本でも深夜から明け方にかけて眠れない日々が続くに違いない。そして8月の大会開幕を控えて、駆け込み需要で売れに売れているのがAV家電だ。プラズマや液晶などの薄型大画面テレビはもちろんだが、人気はやはりDVD/HDDハイブリッドビデオレコーダー。アテネのライブ中継が深夜になってしまう日本では、「夜更かしはできないけど見逃したくない競技」は録画するしかない。オリンピックという一大イベントにVHSデッキや単体DVDビデオレコーダーからの買い替え組、夏のボーナスなど複数の要因が加わって、購入契機としては申し分ない時期といえる。
ところで、DVD/HDDハイブリッドビデオレコーダーを始めとして、最近のAV機器やゲーム機にはEthernetポートが搭載されるケースが増えている。ビデオレコーダーの例で言えば、外出先から携帯電話などのメールを使って忘れていた録画予約を送れるなど、家電がネットワーク対応になるメリットは実に大きい。ネットワーク対応AV機器を所有しているなら、誰しもルーターに、そしてインターネットに繋いでみようと思うはずだ。
そこで障害になるのが、AV機器とルーター間のEhternetケーブルの存在だ。俗に“きしめん”と呼ばれる薄型のフラットタイプも市販されているが、室内を長いケーブルが這い回るのは美観を著しく損なう上に、足に引っ掛けて各機器にダメージを与えてしまう可能性もある。また、ルーターのEthernetポートに空きがなければハブを追加する羽目になる。ただでさえ電源や接続ケーブルで雑然としがちなところを、「これ以上散らかしたくない」と感じるのは自然な発想だ。
ワイヤレスセットなら無線は設定済み
箱を開けて接続するだけですぐ使える
NECアクセステクニカのWARPSTARシリーズの新製品『Aterm WR6600H』は、IEEE802.11a/b/gの無線LAN規格に対応し、有線でも実効80Mbps以上のスループットを誇る無線ブロードバンドルーターだ。無線の暗号化は、60/128/152bit WEPとWPA-PSK(TKIP/AES)をサポートし、Atheros社の無線LANコントローラーを搭載したアダプター(子機)との通信を高速化するSuper AGにも対応している。ルーター単体のパッケージのほか、有線LANを無線LANに変換するEthernetボックス『Aterm WL54TE』やPCカード型アダプター『Aterm WL54AG』と組み合わせた『ワイヤレスセット』としても販売されている。
NECアクセステクニカ『Aterm WR6600H』 | 『AtermWR7800Hワイヤレスセット』に同梱されるEthernetボックス『Aterm WL54TE』。有線LAN機能しか持たない機器を無線化する、ネット家電時代の救世主的アイテムだ |
『Aterm WL54TE』の背面。Eternetポートを2基備えているのが特徴 |
従来の各社のEthernetボックス(Ethernetコンバーターとも呼ばれる)は、無線ルーターと接続する前に一度パソコンを使ってセットアップする必要があった。最近ではバッファローがボタンを押すだけで自動的に無線設定を行う“AOSS”機能などを搭載しているが、WARPSTARワイヤレスセットは出荷時点ですでにルーターとEthernetボックス間の無線設定が済ませてある。つまり、パッケージを開封して設置/接続したらその時点で無線接続も完了しているのだ。これなら多少パソコンに疎いユーザーでもまったく問題なく使えるだろう。