代表取締役社長の大喜多 晃氏 |
アルプス システム インテグレーション(株)(ALSI)は13日、東京・赤坂の都市センターホテルにプレス関係者やSIer(システムインテグレーター)、販売代理店関係者などを集め、同社の新たな学校市場向け戦略と、大学高校向けポータルシステム“OneCampus Portal(ワンキャンパスポータル)”を今月27日に発売することを発表した。OneCampus Portalはユーザー単位での年間利用ライセンスという価格形態をとり、価格は500ユーザーまでで1年間90万円など。
パッケージソリューション部副部長の川居 睦氏 | パッケージソリューション部課長の森谷和浩氏 |
発表会には代表取締役社長の大喜多 晃(おおきたあきら)氏、パッケージソリューション部副部長の川居 睦(かわいむつみ)氏、パッケージソリューション部課長の森谷和浩(もりやかずひろ)氏らが出席し、学校市場の現状や同社の取り組み、新製品の概要などを説明した。
CALLシステムを説明するパネル | 同社のCALLシステムへの取り組みの変遷 |
最初に挨拶に立った大喜多氏は、「ALSIは現在2つの事業が柱となっている。ひとつはパッケージソフトで今回紹介する学校市場向けなどの製品が含まれる。もうひとつは製造流通ソリューションで生産管理や営業管理などシステム面での効率化をソリューション提案している。特に学校市場向けには、一斉授業を行う“CALL(Computer Assited Language Learning、コンピューターを利用した語学学習)”、授業支援システム、URLフィルタリングシステムなどを発売し、市場シェアで50%を超えるものも出てきている。今回発表するOneCampus Portalは、学内だけでなく家庭や塾など、いつでもどこでも誰でも学習できる環境を提供するもの。さらに今後はユビキタス環境への対応も目指す」と同社の位置づけを紹介した。
他者の一斉学習システムなどとの違い。既存システムは、ユーザーインターフェースやデータ互換性を伴わないアプリケーションなどを組み合わせているため、ユーザーに負担がかかり長続きしないという | ALSIのOneCampus Portalでは、既存のALSIのシステムと連動して同じ教材を学校と自宅で利用したり、成果を確認できるなど、継続して学習できる仕組みが用意されているという |
OneCampus Portalは、ウェブブラウザーベースで学内情報の掲示・確認が行えるほか、ウェブメール/スケジュール&ToDo管理/個人ファイル管理(共有)/掲示板/ブックマークの共有などが行えるポータルシステム。学生側クライアントには掲示板の新規作成が行なえない、掲示情報の投稿ができない、教師側は課題提出のスケジュール管理や授業に利用するテキスト/外部ファイルの呼び出し機能を利用可能、といったユーザー制限を行なうことで、学業目的以外の使用を制限できるという。
OneCampus Portalのシステム概要 | OneCampus Portalの画面 |
また、同社が発売中の既存CALLシステム“CaLabo(キャラボ)”、e-Learningシステム“SMART-HTML”と連動することで、Windowsへのログイン操作1回でOneCampus Portalへのログイン(ユーザー認証)が完了する“シングルサインオン機能(特許出願中)”、一斉授業の管理・実施などが行なえるという。
今後は携帯電話やPDAなどを利用した遠隔学習への対応、学習成果の確認によって学習意欲を継続/拡大していく機能の追加、(株)旺文社デジタルインスティテュートとの協業により資格試験など学習範囲の拡大、大学との産学協同開発を目指す、などとしている。
課題提出の管理画面(教師用)。期限までに提出済みか、期限後の提出か、あるいは未提出かが一目で分かる | 一斉授業を行なう既存システムとの連動画面 |
同社では、国内にCALLパートナー20社と連携し、サポートを含む販売体制を構築して初年度100校/3億6000万円の売上目標を掲げているほか、一昨年から開始している米国での販売展開、および今年度から中国市場での活動も開始予定という。川居氏は「2年以内に世界No.1の教育システムメーカーを目指す」と同社が設定したゴールを明らかにした。