連結業績発表会の模様 |
ソニー(株)は27日、東京・大手町のパレスホテルで記者説明会を開催し、2003年度の連結業績を発表した。会場には執行役常務兼グループCFO(最高財務責任者)の湯原隆男(ゆはらたかお)氏、IPオフィスVP(副社長)の小沢幸雄(おざわゆきお)氏らが出席し、概要の説明と記者からの質問への回答を行なった。業績詳細は以下のとおりで、売り上げ高は0.3%(前年度為替レートを適用した場合は3%)の増加を果たしたものの、営業利益では-46.7%、税引き後の純利益では-23.4%の減益となった。
2003年度連結業績と主要支出の内訳
- 売上高および営業収入(2002年度からの増減率)
- 7兆4964億円(+0.3%)
- 営業利益
- 989億円(-46.7%)
- 税引前利益
- 1441億(-41.8%)
- 当期純利益
- 885億円(-23.4%)
- 構造改革費用
- 1681億円(前年度比 +618億円)
- 設備投資額
- 3783億円
- 研究開発費
- 5145億円
部門別業績
- エレクトロニクス
- 売上高:4兆8974億円(-0.9%)
- 営業損失:353億円
- ゲーム
- 売上高:7802億円(-18.3%)
- 営業利益:676億円
- 音楽
- 売上高:5599億円(-6.3%)
- 営業利益:190億円
- 映画
- 売上高:7564億円(-5.8%)
- 営業利益:352億円
- 金融
- 売上高:5935億円(+10.5%)
- 営業利益:552億円
- その他
- 売上高:3304億円(+7.9%)
- 営業損失:100億円
エレクトロニクス部門の利益/損失の変化 | エレクトロニクス部門の利益/損失の詳細 | エレクトロニクス部門の利益/損失の詳細(カテゴリー別) |
この業績の要因について、湯原氏は好調だった部門と期待/見込みほどの伸びが見られなかった部門を具体的に以下のように挙げた。
好調だった部門
- 映画分野でのTVへのライセンス
- 金融における運用利益(創業以来初の黒字転化)
- ゲームソフトの売り上げ
期待ほどの伸びが見込めなかった部門(および損失の理由)
- 音楽市場の継続的な不況、DVDの単価下落などによる減収
- プレイステーション2(PS2)本体の伸びが鈍化したことと、日米欧で価格を戦略的に引き下げたため売上金額が低下
- R&D費用の増加
- 為替相場の変動(円高水準)
ゲーム部門の売上高と営業利益の変遷 | 音楽部門の売上高と営業利益の変遷 | 映画部門の売上高と営業利益の変遷 | ||
2003年度のゲーム機本体/ソフトウェアの生産出荷台数は以下のとおり。
- ゲーム機本体
- PS2:2010万台(前年度比 -242万台)
- PS one:331万台(同 -347万台)
- ゲームソフト
- PS2:2兆2200万本(前年度比 +3200万本)
- プレイステーション:3200万本(同 -2900万本)
なお、2004年度の見込みについては以下のとおり。設備投資4100億円のうち半導体に1900億円充て、65nmプロセスルールの半導体製造設備の導入に1200億円を投じるとのこと。
2004年度の業績見通し(2003年度からの増減率)
- 売上高および営業収入
- 7兆5500億円(+1%)
- 営業利益
- 1600億円(+62%)
- 税引前利益
- 1600億(+11%)
- 当期純利益
- 1000億円(+13%)
- 構造改革費用
- 1300億円(前年度比 -381億円)
- 設備投資額
- 4100億円
- 研究開発費
- 5500億円
また、記者からHDD&DVDレコーダー『PSX』のつまづきについて指摘されると、「2003年末のスタートダッシュはよかったものの、現在は想定した売上には届いていない。ただ、DVDレコーダー全体(“スゴ録”シリーズを含む)で見れば65万台(2003年度)を出荷しており、2004年度は海外進出も予定しているので目標の200万台をクリアできるだろう」と自信を見せた。
ソニーの主要製品の出荷実績と2004年度の見込み
- カムコーダー
- 660万台(2003年度) 700万台(2004年度見込み)
- デジタルカメラ
- 1000万台(2003年度) 1500万台(2004年度見込み)
- DVDプレーヤー
- 900万台(2003年度) 930万台(2004年度見込み)
- DVDレコーダー
- 65万台(2003年度) 200万台(2004年度見込み)
- フラットディスプレーテレビ
- 64万台(2003年度) 100万台(2004年度見込み)
- カラーテレビ(ブラウン管タイプ)
- 940万台(2003年度) 940万台(2004年度見込み)
- パソコン(バイオシリーズ全体)
- 320万台(2003年度) 370万台(2004年度見込み)
- バイオ デスクトップ/ノート
- 130万台/190万台(2003年度) 130万台/240万台(2004年度見込み)