(株)角川ホールディングスは29日、(株)メディアリーヴスが発行する株式と新株予約権の公開買い付けを行ない、経営権を取得することを決議したと発表した。角川ホールディングスは角川グループの持株会社で、メディアリーヴスは、(株)エンターブレインと(株)アスキーの持ち株会社。
今回の買収は、角川ホールディングスのグループ戦略のひとつである“メガコンテンツ・プロバイダー”事業の領域拡大の一環として行なうもので、カバーするコンテンツのジャンルの拡大を図るのが目的。角川グループは、エンターブレインの参画によりゲームやアニメの分野において、ほかに真似のできない企業体を形成。それとともに、出版事業に特化した立て直しが完了し、大幅な収益性の向上が図られたアスキーにより、角川グルーブがあまり手がけていなかったパソコン・IT関連分野に事業領域を拡大する。
角川グループにおけるメディアリーヴスの位置付けは、(株)角川書店や(株)メディアワークス、(株)角川大映映画などとメディアリーヴスが並び、その下にエンターブレインとアスキーが並ぶことになる。角川グルーブでは、事業会社の自主性やブランドを重視しながら、金融や物流などを共有することなどにより、会社間のシナジーを最大限生かす体制を目指しており、メディアリーヴスに対しても、効率と採算性の向上を目指したグループ内リソースの有効活用を行なっていく。
なお、2003年3月期の売上高は、エンターブレインが190億7400万円、アスキーが101億6500万円、合わせて292億3900万円。従業員数は、エンターブレインが241名(2003年3月30日現在)、アスキーが236名(2003年9月30日現在)となっている。