「ThinkPad X31」は、モバイルノートの定番、「ThinkPad Xシリーズ」の最新モデルだ。Pentium MおよびCentrinoプラットフォームの導入により、より快適に使えるマシンへと成長している。
ThinkPad X31 2672-CBJ |
「ThinkPad X31」として今回発表されたのは10モデル。違いはCPUなどのスペックとOS、そして無線LAN機能の種類などによる。ここで取り上げた「2672-CBJ」は、Pentium M-1.4GHzとIntel PRO Wireless/2100による無線LAN機能を搭載し、OSにWindows XP Professionalを導入する主力モデルだ。
薄型・軽量化より
バランスの良さで勝負する
日本IBM「ThinkPad T40 2373-72J」レビュー。 |
パッと見の印象は先代のX30とまったく変わらない。中身はCentrinoプラットフォームへと大きく変わっているのだが、それでいてキッチリ同じボディサイズを保っているのは、X30の設計段階で、あらかじめPentium Mの内蔵を意識していたからだ。Pentium M(当時は開発コードネームのBaniasの名で呼ばれていた)を搭載したX31が、日本でX30が発表される前から、2002年秋のIDF(Intel Developer Forum)で展示されていたというのも有名な話だ。
ビデオチップは、X30の830MGチップセット内蔵コアから、ATI MOBILITY RADEONに変更されている。もっとも、チップの性能はさほどでもなく、ビデオメモリは16MBと少量のため、3D性能に関しては「無理をすれば3Dゲームも楽しめる」といった程度。
写真1 T40同様、TrackPointのキャップは、従来のクラシック・ドームのほか、先端をドーム状に広くしたソフト・ドーム、先端を平坦に広くし中央を窪ませたソフト・リムの3種類を標準で同梱する。 |
キーボードのタイプ感は、主要キーのピッチ18.5mm、ストローク2.5mmという数値以上に良好なもので、ポインティングデバイスのTrackPointの操作性も定評のあるところだ。なお、T40同様にTrackPointのキャップは3種類が標準添付される。バッテリ駆動時間も公称値で5.5時間と、Mobile PentiumIII-1.12GHzを搭載した従来モデルより1時間近く(JEITA測定法では0.3時間)伸びた。底面に拡張バッテリを装着すれば、10時間という長時間駆動が可能になる。
インターフェイスの種類や配置に関しては、USBポートはチップセットの変更にともなってUSB 2.0対応となったほか、右側面のUSBポートは放熱口の大型化の影響で左側面奥に移動した。細かいところでは、これまでは無線LANのオン/オフを切り替える物理的なスイッチが用意されていなかったが、 FnキーとF5キーの同時押しで切り替えることができるようになり、無線LANのオン/オフを示すインジケータも液晶下に追加された。
Xシリーズは今どきのモバイルPCとしては決して小さくないし、軽くない。それでも高い評価を得てきたのは、携帯性とともに、入力環境の快適さやボディの剛性感、高い基本性能、入力環境、バッテリ駆動時間といった、モバイルPCに求められる各要素のバランスが、高いレベルでとれているからだ。今後もモバイルPCの定番となりうる実力を備えた1台といえる。
ThinkPad X31 2672-CBJの主なスペック | |
製品名 | ThinkPad X31 2672-CBJ |
---|---|
CPU | Pentium M-1.40GHz |
チップセット | Intel 855PM |
メモリ(最大) | DDR SDRAM(PC2100) 256MB(最大1GB) |
液晶/解像度 | 12.1V型/1024×768ドット |
グラフィックス | MOBILITY RADEON(16MB) |
HDD | 40GB |
FDD | なし(オプション、USB外付け) |
光メディアドライブ | なし(オプション、USB外付け) |
スロット | PCカード(TypeII/I×1)、コンパクトフラッシュカード(TypeII×1) |
通信 | 無線LAN(IEEE802.11b)、10/100BASE-TX、56kbps |
I/O | USB 2.0×2、IEEE1394×1、外部ディスプレイ端子、パラレル、IrDA 1.1 |
バッテリ駆動時間 | 5.5時間 |
サイズ(W×D×H) | 273×223×24.9~30.2mm |
重量 | 1.64kg |
OS | Windows XP Professional |