RSA Conference 2003 Japan実行委員会は23日、6月3日~4日にわたり開催するセキュリティーカンファレンスイベント“RSA Conference 2003 Japan”の概要を説明する記者説明会を都内で開催した。
RSA Conference 2003 Japan実行委員会とは、今回の“RSA Conference 2003 Japan”を主催する団体で、トラックセッションのプログラム作成などを行なっている。カンファレンスイベントを中立的かつアカデミックな内容とするために、民間企業やNPO、大学などに在籍する、セキュリティーに精通した委員で構成されている。委員長はスタンフォード大学スタンフォード日本センター理事兼上席研究員である安延伸氏が務めている。
“RSA Conference 2003 Japan”は、米国で1991年より開催されているカンファレンスイベント“RSA Conference”の日本版として、昨年より開催されている。昨年は赤坂プリンスホテルで5月29日~30日の2日間にわたり、暗号やPKI、セキュリティーポリシー、電子政府などをテーマに48セッションが行なわれ、4245名の来場者を集めた。
今年は会場を東京国際フォーラムに移し、トラックセッション、展示会ともに規模を拡大するという。新たにトラックセッションに追加するテーマは、企業のリスクマネージメントやセキュリティーポリシーの立案について解説する“情報セキュリティと企業の危機管理”、セキュリティー強化に対して取り組んでいる企業の事例を紹介する“先進ユーザーのセキュリティ意識と取り組み”、ウェブサービスのセキュリティーについて技術的に解説する“Webサービスのセキュリティ”、無線LANや携帯電話などのセキュリティーについて取り上げる“ユビキタス・ネットワーキングのセキュリティ”になる。来場者数は4500人を見込んでいる。
記者説明会では、“RSA Conference 2003 Japan”の運営を担当するキースリーメディア・イベント(株)代表取締役社長の菅埜寛之氏が最初に挨拶し、「情報セキュリティー分野は、住民基本台帳ネットワークなど生活に近いところにも問題を投げかけており、関心が高まっている。“RSA Conference 2003 Japan”は最高の質と量の情報を提供するイベントである」と語った。
キースリーメディア・イベント(株)代表取締役社長の菅埜寛之氏 |
菅埜氏はさらに、「日本の情報セキュリティーの質を高めるため、このイベントを利用してほしい」と、“RSA Conference 2003 Japan”への期待を示した。
引き続き、RSA Conference 2003 Japan実行委員長の安延伸氏が、“RSA Conference 2003 Japan”開催の背景や見どころなどを紹介した。
RSA Conference 2003 Japan実行委員長の安延伸氏 |
安延氏は、「米国の同時多発テロ以降の国際情勢の緊張や、最近の個人情報保護法の議論、インターネットへの常時接続の普及などから、セキュリティーへの関心が高まっている。また、RSA暗号技術開発者の1人であるRonald L.Rivest氏が米ACMのA.M.Turing賞を受賞したことも、世界的なセキュリティーへの関心の高まりのあらわれだ」と指摘した。また、“RSA Conference 2003 Japan”では「昨年の参加者の意見を反映し、パンフレットの各セッション紹介の下に参加対象者を書き込み、予想と違うセッションに参加することがないように配慮した」と語った。
“RSA Conference 2003 Japan”の概要は以下のようになる。
- 日程
- 2003年6月3日(9時~19時30分)~4日(9時~18時)
- 会場
- 東京国際フォーラム
- トラック概要
- トラック1:暗号技術の最新状況
- トラック2:セキュリティに関する技術標準
- トラック3:政府調達の現場と情報セキュリティ
- トラック4:情報セキュリティと企業の危機管理
- トラック5:先進ユーザーのセキュリティ意識と取り組み
- トラック6:不正アクセスおよびウイルスの脅威と対策
- トラック7:Webサービスのセキュリティ
- トラック8:ユビキタス・ネットワーキングのセキュリティ
- トラック9:ニュープロダクト&テクノロジー
- 参加費用
- カンファレンス参加料金:事前登録者(5月26日までに申し込んだ場合)は4万8000円、当日登録者は6万8000円
- 展示会場のみ:事前登録者は無料、当日登録者は2000円
なお、“RSA Conference 2003 Japan”会期中、東京国際フォーラムでは同時に“Network Security Forum 2003 Spring”が開催される。同イベントはNPO法人 日本ネットワークセキュリティ協会が主催し、同協会がこれまで行なってきた研究の成果などが発表される予定だ。