日本電気(株)は22日、地球温暖化防止効果の高い植物“ケナフ”の繊維を補強材とし、トウモロコシなどの植物を原料とするバイオプラスチック素材の“ポリ乳酸”に充填することで、耐熱性と強度(剛性)を高めたバイオプラスチックの開発に成功したと発表した。同社では電子機器などのハイエンド用途への利用が可能としている。
今回開発したバイオプラスチックは、ポリ乳酸にケナフ繊維を約20%添加し、熱変形温度を67度から120度に、曲げ弾性率(曲げにくさ)を4.5GPa(ギガ・パスカル)から7.6GPaに高めたのが特徴で、ABS樹脂やガラス繊維添加ABS樹脂などの石油原料の外装用樹脂を超える特性を持つという。
開発に使用したケナフ繊維は、オーストラリアでケナフの大量栽培に初めて成功した(株)ネイチャートラストから提供されたもので、実用化の際には同社から安定供給を受けることが可能としており、NECでは、今後2年以内に電子機器向けに実用化する予定としている。