前回の「Pentium 4をガス冷でオーバークロック(その1)」では、積極的なCPU冷却を実践すべくガス冷システム“Vapochill”(バポチル)を導入した。当然、Pentium 4システムをどこまでオーバークロックできるのかが最重要課題である。(その1)では、マシンを動作させる準備段階として、まずはCPUに密着させるエバポレータの固定用アタッチメントの作成やVapochillの仕様を確認する意味でガス冷却装置のみを動作させてみた。今回は、その続編として、最初にテストマシンのシステム構成を紹介してから(その1)で宿題にした冷却装置の性能追求や結露対策についてお伝えし、最後にガス冷におけるPentium 4-2.8GHzのオーバークロック動作結果を発表しよう。
●マザーボード等のシステム構成パーツの紹介
今回のテストでは、Pentium 4対応の最新チップセット“i845PE”を搭載するASUSTeK製マザーボード「P4PE」を採用した。決め手は、PC2700スペック(DDR333)のメモリを正式にサポートした点や豊富なオーバークロック機能を搭載しているからだ(その一例としてDDR355というメモリクロックが用意されている)。また、今回は試せていないが、オンボードでSerial ATAインターフェースを搭載しているなど将来性の面でもポイントは高い(今回は従来のU-ATA方式でHDDを接続した)。そしてプロセッサは前々回の水冷テストで用いたPentium 4-2.8GHzをこのP4PEに実装した。なお、メモリは水冷テスト時のPC3200(DDR400)CL=2.5/512MBに加えて、同じスペックの256MBも用意。ただし、256MBのメモリはいわゆるバルク扱いのノンブランド品でメモリチップは写真でも確認できるとおり、Winbond製W942508BH-5(256Mビット)を基板の片面だけに8枚実装した仕様のDIMMである。なお、ビデオカードは、ベンチマーク結果を単純に比較するために、これまで通りAbit製Siluro GF4 Ti 4400(GeForce4 Ti4400)を組み込んだ。ちなみにインストールしたドライバーは、nVDIAのウェブサイトで11月に公開されたVer.6.13.10.4072である。
CPU | Pentium 4 2.80GHz |
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CPU冷却 | Vapochill 7th generation |
マザーボード | ASUSTeK P4PE |
メモリ | DDR 256MB PC3200 CL2.5(メモリチップ:Winbond ) |
ビデオ | ABIT Siluro GF4 Ti 4400(GeForce4 Ti4400) |
ドライバー | Ver.6.13.10.4072 |
解像度 | 1024×768ドット/32bitカラー |
HDD | Seagate Barracuda ATA IV 60GB |
OS | Windows XP Professional |