通信システム製品やサービスを通信機器メーカーやxSPに提供する通信専門企業であるNMSコミュニケーションズ(株)は9日、都内に報道関係者を集め、事業戦略説明会を開催した。
代表取締役社長の岩下敏氏 |
説明会ではまず、代表取締役社長の岩下敏氏が日本市場における取り組みについて紹介した。NMSコミュニケーションズでは、ワイヤレス、音声対応アプリケーション、次世代(通信)インフラストラクチャーの各市場に力を入れているという。経営の基盤となっているのは、メディア・サーバーやVoice Over Packetゲートウェイなどの“プラットフォーム&サービス”、および2001年に米ルーセント・テクノロジーズ社から買収した“ボイス・エンハンスメント・システム”(※1)で、オープン環境での統合型音声/データサービスシステムや2G/3Gネットワーク対応ゲートウェイなどのネットワークサービス、ネットワークストラクチャー事業に戦略的投資を行なっているという。
※1 長距離通信事業者やワイヤレス事業者向けに、高い音声品質を提供するシステム。エコーキャンセレーションなどからなる。米NMSコミュニケーションズ社ボイス・エンハンスメント システム部門 R&D担当副社長チェン・キム氏 |
岩下氏に続いて米NMSコミュニケーションズ社ボイス・エンハンスメント システム部門 R&D担当副社長チェン・キム(Cheng Kim)氏が、同社のボイス・エンハンスメント システムとワイヤレスビデオゲートウェイについて説明した。
ワイヤレスユーザーにおいて何が重要かを示したグラフ。青色の部分が音声品質 |
ボイス・エンハンスメントは携帯電話回線などを使った場合のエコーやノイズを除去し、明瞭な音声状態を提供する技術。3G携帯電話においても、エコーや遅延、バックグラウンドノイズといった音声品質を劣化させる問題に対しては改善が行なわれておらず、ボイス・エンハンスメント技術が重要であるという。
またキム氏は、米国時間の9日付けで発表となる米NMSコミュニケーションズ社と米パケットビデオ社の、次世代携帯電話のパケット通信における、キャリアレベルのマルチメディアサービスの共同開発合意について紹介した。両社は3GPP(Third Generation Partnership Program)標準仕様に準拠した、音声/画像統合型リアルタイム双方向ビデオ・コミュニケーションシステムを共同開発していくとしている。
同社が提供する、3Gワイヤレスマルチメディアプラットフォーム |