ソニーのCyber-shot Pシリーズは、独特の横長ボディを採用するコンパクトデジタルカメラだ。「Cyber-shot P71/P31」は、電源を単3電池専用とすることでより小型化を図った入門用デジタルカメラだ。
単3電池専用設計にして小型化を実現
DSC-P71は有効321万画素CCDと光学3倍ズームレンズを、DSC-P31は有効198万画素CCDと単焦点レンズを搭載する。DSC-Pシリーズはベストセラーとなった「DSC-P1」を始めとして独特の横長ボディを採用し、現行モデルとしては専用リチウムイオンバッテリパックを採用して小型化した「DSC-P5」「DSC-P3」と、単3電池も利用可能だが一回り大きな「DSC-P50」「DSC-P30」「DSC-P20」の2系統がある(表)。
製品名 | DSC-P5 | DSC-P3 | DSC-P50 | DSC-P30 | DSC-P20 |
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光学ズーム | 3倍 | 単焦点 | 3倍 | 単焦点 | |
有効画素数 | 321万 | 282万 | 198万 | 123万 | 111万 |
電源 | 専用 | 専用/単3 | |||
本体サイズ (W×D×H)mm |
112.5×36.2×53.8 | 112.5×38.1×53.8 | 126×53.7×61.2 | 123×46×62 | |
重量 (本体のみ) |
約185g | 約165g | 214g | 187g |
P50/P30/P20は専用リチウムイオン充電地の使用を前提として、緊急用として単3電池×2本も利用可能(ただし充電池はオプション)という設計だが、電池室形状からボディサイズが大型化してしまい、P1やP5/P3に比べるとかなりやぼったいデザインとなってしまった。これに対し、P71/P31は最初から単3電池×2本専用としてボディの小型化が図り、体積比でP71はP50に比べて約32%、P31はP20と比べて約44%小さくなっている。付属の単3ニッケル水素充電池(2本)を使った場合、P71は約90分(約1800枚)、P31では約120分(約2400枚)の撮影が可能だ(いずれも液晶ONの時。液晶OFFでは+30分)。ただし、付属の充電器は2本同時充電できるのだが、三洋電機の「DSC-AZ1」などのように予備を含めて4本を同時に充電できる充電器のほうが実用性は高いだろう。
P71とP31の基本的な操作はPシリーズと同様で、上面の電源スイッチを入れればレンズバリアが開いて撮影モードで電源が入り、背面のダイヤルで再生/撮影/動画撮影/セットアップなどのモードを変更する。背面の丸いカーソルは上下左右方向とプッシュ機能を持つ5WAYタイプで、撮影時にはマクロやフラッシュモードの設定切り替え機能も兼ねる。なお、P31にもズームボタンがあるものの、ズーミングはデジタル(3倍)のみだ。
P71の上面。ON/OFFボタンを長押しすると電源が投入され、レンズが伸張する。P31も同様だがレンズが伸びないのが大きな違いだ。 | P71の右側面は電池スロット、右下部はメモリースティックスロットとなっている。P31もほぼ同じ設計となっている。 |
P31のみ、液晶の上側に「POWER SAVE」というスイッチが設けられている。いわゆる省電力モードにするスイッチで、P71ではメニューから選ぶのに対し、P31ではスイッチでON/OFFを切り替えられる。P71/P31ともにパワーセーブモードでは、フラッシュのモードが標準で発光禁止(普通はオート発光)、フラッシュのチャージ中に液晶OFF、シャッターボタンを半押しにしたときのみフォーカス(普通はコンティニュアスAF)といった動作となる。持ち歩いて撮影しているときなどはこまめに電源を切ったり、メニューから省電力モードに入れるのも面倒だが、ワンタッチで通常/省電力モードを切り替えることができるのは便利だ。
P71の背面。P50/P30/P20では上面にあったダイヤルは背面に移動し、液晶モニタとスイッチ類とともにコンパクトに配置されている。液晶モニタには撮影時のステータスを表示させている。 | P31の背面。基本的なレイアウトはP71とほとんど同じだが、ズームボタンはデジタルズームのみとなっている。 |
また、細かな点ではあるが、従来のCyber-shotシリーズではホワイトバランスが自動/ホールド/室内/屋外の4モードしかなく、室内は白熱灯に設定されていたのに対し、P71/P31では新たに「曇り」と「蛍光灯」が追加されたのはありがたい。