日本SGI(株)は28日、最先端のビジュアライゼーション(可視化)を実現するためのビジョン“Visual Area Networking(ビジュアル・エリア・ネットワーキング)”を発表した。
新ビジョンの説明を行なった日本SGI代表取締役社長の和泉法夫氏(左)と、米SGI社COOのWarren Pratt(ウォレン・プラット)氏 |
“Visual Area Networking”は、クライアント端末の種類を問わずに、既存のネットワークからSGIのビジュアライゼーションサーバーにアクセスし、そのサーバー環境を利用できるようにするというもの。これによりユーザーは、可視化システムが設置されている場所以外からでも、ネットワークを利用して作業を行なえるという。
また同社は、“Visual Area Networking”を実現するための新製品として、グラフィックスソフト『SGI OpenGL Vizserver 2.0』、ハイエンドグラフィックスサーバー『SGI Onyx 3000 Series with InfinitePerformance Graphics』、ミッドレンジグラフィックスサーバー『SGI Onyx 300 with InfiniteReality3 Graphics』、グラフィックスワークステーション『Silicon Graphics Fuel Visual Workstation』も同時に発表した。いずれの製品も3月1日に発売する。
『SGI OpenGL Vizserver 2.0』は、既存のネットワークを利用して、パソコンやワークステーションといったクライアント端末から、SGIのグラフィックスサーバーにどこからでもアクセスできるようにするもので、クライアント端末から画像処理操作を行なえる。
サーバーとクライアントの間でリアルタイムによるコラボレーションが可能で、複数ユーザーがリソースを共有したり、同時に同じアプリケーションを操作したりできる。これにより、各地に分散するデザインルームで画像を共有しリアルタイムで操作できるようになる。なお、各種アプリケーションはサーバーで実行され、データ処理もサーバー上で行なわれる仕組みとなっている。クライアントの対応OSはIRIX、Solaris、Linux、Windows NT4.0。
グラフィックスソフト『SGI OpenGL Vizserver 2.0』のデモ。サーバー上にあるアプリケーションとデータ(写真左の画面)を、ネットワークを通じてクライアント側のノートパソコンで操作できる(写真右の画面) |
『SGI Onyx 3000 Series with InfinitePerformance Graphics』は、毎秒最大2億8300万ポリゴン/77億ピクセルの処理能力を持つ『InfinitePerformanceグラフィックス・サブシステム』と、グラフィックスコンピューター『SGI Onyx 3000』シリーズを組み合わせたハイエンドグラフィックスサーバー。最小構成で、CPUにMIPS R12000×4、メモリー1GB、システムディスク36GBを搭載し、OSにIRIX 6.5を採用、ディスプレー/キーボード/マウス/オーディオ/シリアルカードが付属するモデルが2317万5000円から。
ハイエンドグラフィックスサーバー『SGI Onyx 3000 Series with InfinitePerformance Graphics』 |
『SGI Onyx 300 with InfiniteReality3 Graphics』は、『InfiniteReality3グラフィックス』と『SGI Onyx 300』を組み合わせたミッドレンジグラフィックスサーバー。最小構成で、CPUにMIPS R14000×2、メモリー512MB、システムディスク18GBを搭載し、OSにIRIX 6.5を採用、ディスプレー/キーボード/マウスが付属するモデルが2676万6000円から。
ミッドレンジグラフィックスサーバー『SGI Onyx 300 with InfiniteReality3 Graphics』 |
『Silicon Graphics Fuel Visual Workstation』は、SGI 3000シリーズのアーキテクチャーを採用したグラフィックスワークステーション。最小構成で、CPUにMIPS R14000A、メモリー512MB、システムディスク18GBを搭載し、OSにIRIX 6.5を採用、ディスプレーが付属するモデルが209万3000円から。
グラフィックスワークステーション『Silicon Graphics Fuel Visual Workstation』 |
さらに同社は、同社の大規模可視化システムデモセンター“SGI Reality Center”の機能をパッケージ化した『SGI Viz Theater』を3月1日に発売すると発表した。
同製品は、画像や映像、ビジネス資料などを3面マルチスクリーン(1面:5×3m)へ組み合わせて表示でき、プレゼンテーションやデモを行なえるシステム。基本モデルは、『SGI Onyx 300 with InfiniteReality3 Graphics』(2CPU構成)と、DLPプロジェクター×3、80インチスクリーン×3面、表示制御ソフト、サンプルコンテンツ、基本システムインテグレーションおよび設置工事で構成され、価格は3980万円から。基本モデルにメディア配信システム『Kasenna Media Base』をバンドルしたストリーミングモデルが4980万円から。
本日行なわれた発表会で、同社代表取締役社長の和泉法夫氏は、コンテンツの時代を支えるためにはブロードバンドが必需品。最低100Mbpsは必要だ。ブロードバンドネットワークが張り巡らされたとき、SGIのテクノロジーとネットワーク、そしてデジタルメディアテクノロジーがバインドしていく。それが“Visual Area Networking”であり、Visual Area Networkingを支えるソフトが『SGI OpenGL Vizserver 2.0』だ」としている。