このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

LinuxWorld EXPO開催

2002年01月31日 23時40分更新

文● 塩田紳二

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

30日からは展示会場もオープン。大きなブースは、HP、IBMそしてCompaqのものだ。全体的には昨年よりもブースが少なく、そのためか会場の両端をカーテンが覆っている。また、小さいブースが増えたような感じもある。

展示的な目玉としては、HPの『Chai-LX』(Linux+JavaのPDA)や、ソニーが『PS2Linux』の正式版、そして、IBMのLinuxサーバ入り自動販売機などである。

HPが開発した『Chai-LX』は、PDAの試作品と、HPが家庭向けに出荷する『DE100C Digital Entertainment Center』というAV装置(こちらも内部はLinux)上でデモを行なった。前者は、PDAアプリケーションをJavaで記述。ハードウェアはStrongARMを使ったもの。JavaでMP3プレーヤーが記述できる程度の性能がある。

『Chai-LX』を使ったPDA試作機。『Chai-LX』を使ったPDA試作機。『Chai-LX』のLXがかつてのHPのハンドヘルド『95/100/200LX』を彷彿とさせる。やはりPDAへの採用がメインか?

『DE100C Digital Entertainment Center』のほうは、CD-RWドライブとハードディスクを装備したビデオデッキのような機器。モデムやEthernetを持ち、リモコンでも操作できる。ここに『Chai-LX』を搭載し、ネットワーク経由でPDAなどから遠隔操作ができるようにしたもの(PDAとの接続には無線LANを使い、Webブラウザを使って操作する)。

『DE100C Digital Entertainment Center』。
『DE100C Digital Entertainment Center』に『Chai-LX』を搭載したデモ。ハンドヘルド上のWWWブラウザ経由で制御やオーディオファイルの再生が可能。『DE100C Digital Entertainment Center』はイーサーネットインターフェイスを持っており、PDAとは無線LAN経由で接続していた。
DreamWorksのアニメーション作成ツール。
HPブースにあったDreamWorksのアニメーション作成ツール。手書きのコンテを取り込み、それをベクトルデータ化し、領域に対して色指定ができる。完全にデジタル化するのではなく、アニメーターの絵を尊重しつつも、セル作成をデジタル化することで省力化を図る。

IBMは、メインフレームである『IBM eserver zSeries』にLinuxのみが搭載されたマシンを発表。従来はメインフレームOSの下でゲストOSとして複数のLinuxを動かすというものだったのだが、今度はLinuxのみが動き、従来のメインフレームOSを廃したものだ。

Linuxが組み込まれた自動販売機。IBMが出展したLinuxが組み込まれた自動販売機。内部には、IA-32、StrongARMの2つのCPUがあり、前者が画面表示やネットワーク制御などを行ない、StrongARMのほうは機器の制御を行なう。無線LANを使い飲み物を買うことができるほか、正面のLCDでインターネットアクセスなどによりさまざまな情報を入手できる。会社の休憩室などでも自分のスケジュールなどが確認できるという。

ソニーは、日本でβ版として限定出荷した『PS2Linux』をようやく製品として出荷。キーボードやマウスなどとのセットで、米国仕様の『プレイステーション 2』(現行の国内版と同じくハードディスクの内蔵スペースがある)にも対応している。β版との違いはバグフィックスが中心で大きな変更はないようだ。

PS2Linuxのデモ。
ソニーは『PS2Linux』を正式発表。Linuxのユーザーや開発者に受けるツボを突いた製品か。
ソニーのブース。
ソニーのブースはかなりの人気。

テロの影響が残るNew Yorkで始まったLinuxWorldだが、とりあえず出だしは好調。参加者の出足もまあまあ。ただ30日は雨模様で、明日も天気予報では雨。今年のLinuxの行方も景気後退などの影響がどう出るか、ちょっと不安なところ。そんな気持ちをあらわすかのような曇り空であった。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード