最薄部16.6mm,せり上がるキーボードで話題になった本機は,その後順調にモデルチェンジし,人の印象に残るノートPCのひとつになったようだ。今回は,CD-R/RWドライブ搭載モデルを使用し,MURAMASAの斬れ味に迫ってみたい。
キーボード、ポインティングデバイス、液晶パネル部の全景。 |
先日マイナーチェンジが行なわれたばかりのMURAMASAだが,本機と比べてCPUがPentium III-M-750MHzとCeleron-650MHzに(CD-R/RWドライブ搭載の“R”タイプは,Celeronモデル)なったほか,目立った変更点はないので,パフォーマンス以外の面では,本記事を参考にしていただいて問題はない。本機の世代もそうだが,今回のMURAMASAも3つのモデルが登場した。1つは前述した「R」の後継。もう2つは,CD-R/RWドライブは付属しないが,CPUに超低電圧版 Mobile Pentium III-750MHzを搭載したPC-MT1-H5とPC-MT1-H5Fだ。この2機種はハードウェアにおける違いはなく,H5がWindows XP Home Editionを,H5Fが,Professionalをプリインストールしている点が異なっている。
ちなみに,「R」モデルに同梱されるCD-R/RWドライブ「CE-CW05」は,USB接続でCD-Rの書き込み8倍速,CD-RW書き換え8倍速,読み出し最大6倍となっているほか,書き込みエラーを防止するJustLink機能を搭載する。USB接続なのが少しさびしいが,MURAMASAがIEEE 1394インターフェイスを持っていないので致し方ないところだ。購入の際は,オールインワンノートPC的な活用法をとる代わりにCeleronでよしとするか,超低電圧版 Mobile Pentium III搭載をとるか,という選択になろう。デスクトップマシンを所有しており,2台目のパソコンを買う,という視点であれば,XP Proを搭載したH5Fをお勧めするが,初めてのマシンを購入するというのであれば,H5Rもよい選択だと思う。CD-R/RWドライブ付きのH5Rのほうが,PCそのものの使い方の幅が広がるからだ。Microsoft Office XP Professionalもプリインストールされているし,「これ1台あれば何でもできる度」を考えると,H5Rという結論になる。
ここで,MURAMASAの薄さを実現している技術について,ざっとおさらいをしておこう。本機の薄さに堅牢性を与えているのが,マグネシウム性のフレームにアルミ合金のキャビネットを貼り合わせた「ボックスラーメン構造」だ。正直,実機を触るまでこの薄さに不安感を覚えていたのだが,実際にMURAMASAを運用してみると,強度面で不安になることはなかった。むしろ自重があり,大型の筐体になってしまういくつかのA4のオールインワンノートPCのほうが,べこべことしたボディワークで,取り扱いに慎重になってしまったほどだ。デザインは話題になっただけあって秀逸。持っていてうれしくなることは間違いない。液晶パネルの開閉スイッチは本体側に付いており,スイッチを押し込むことで,液晶パネル側のツメがカチッと外れてパネルが少し開く構造だ。液晶パネルのヒンジは,評価用に借り受けたマシンでは少し硬めでよい感じだ。
同梱物。紙のマニュアルを廃止する方向に進む機種もある中,MURAMASAはしっかりとしたマニュアルを付けている。 |