米アクテル社とアクテルジャパン(株)は15日、不揮発性で再プログラミングが可能な、フラッシュベースのFPGA(Field Programmable Gate Array)『ProASIC Plus』シリーズを発表した。同製品は、フラッシュベースのFPGAとしては初めて100万システムゲートを達成した。
ProASIC Plusを搭載したデモボード |
FPGAはゲートアレイの一種で、ユーザーによってプログラムできるロジックLSI。独自の回路を必要な時に短期間で作り込め、再プログラムが行なえる。アクテルでは機密性が高い構造で、低価格なアンチヒューズ型FPGAの製造と販売を行なっている。標準的なFPGAのシステムゲート数は、一般的に25万以下だが、同社は昨年、10万から50万のゲート数を持つFPGA『ProASIC』を発表している。
『ProASIC Plus』は、不揮発性のフラッシュメモリーを用いたFPGAチップ。ユーザーごとのマルチビットセキュリティキーでプログラムされるため、キーを持たない者はコンフィギュレーションの設定を読み出したり、変更できない高い機密性を持つという。また、ASICに類似したデザイン手法を用いているため、量産体制時にはASICへの移行が円滑に行なえ、迅速な市場投入が可能としている。同社では、ProASIC plusを、再プログラミングが可能で、市場投入スピードが速いSRAM FPGAと、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向けIC)の特徴を兼ね備えていることから今後、ASICに取って代わる製品として位置づけている。
製品化第1弾は、75万システムゲートの『APA750』と、100万システムゲートの『APA1000』になる予定で、第2四半期に量産品を出荷するという。価格は、APA750が199ドル(約2万5000円)から、APA1000が399ドル(約5万円)から。今後発売する予定の最小規模のデバイスは、20ドル(約500円)を切る価格になる予定だという。
アクテルジャパン代表取締役仲哲周氏 |
アクテルジャパンでは主に通信業界や航空業界、工業計測業界などを中心に販売する。高性能FPGAと小規模FPGAの中間市場を狙うとしており、大手ベンダーからの市場奪取を図るという。