ASIMOが脱いだ!?
16日に開幕した“ロボット創造国際競技大会神奈川2001(ロボフェスタ神奈川2001)”において、本田技研工業(株)はカバーを外して内部構造の見える『ASIMO』を初めて展示した。
一瞬新機種かと思ってしまった、カバーを外した『ASIMO』。内部構造が丸見え。企業秘密がバレてしまうのでは、との問いにホンダの担当者は自信ありげに「容易にはマネはできません」と語った |
ASIMOの頭脳は、背面の“ランドセル”にある。
“ランドセル”上部の青白いカバーの部分にコンピューター、側面に冷却ファンが4つ付く下部に電源。ランドセル右上の黒い棒状のものが、無線のアンテナ |
ランドセルの側面。冷却ファンが並ぶ |
ランドセルの上部には、ASIMOの頭脳となるコンピューターを、下部には電源を内蔵している。また、無線機器類はランドセルと本体の接合部付近に、アンテナはランドセルの側面に設置している。頭脳部分は、CPUの挿さったボードを数枚搭載している。枚数は未公開。
腹部の白い部分がバッテリー。ASIMOを約30分間駆動する容量がある。立っているだけでも、電力を消費するという |
バッテリーは腹部にあり、ASIMOを約30分間駆動するだけの容量がある。ただし、ASIMOは立っているだけでも、バランスをとるために電力を消費するという。
ASIMOの太もも。ひざと足首を駆動するモーターは、関節とは別に組み込んであり、ベルトで動力を伝える |
ASIMOの頭部 |
バランス感覚が優れているASIMOは、コンパニオンが手で押しても倒れない、というデモ |
今回のこの出展は、ホンダの担当者によると「歩くだけでなく、メカニズムを見せてほしい」という要望に応えたもの。ちなみに、出展したのは先日発表したレンタル事業用ASIMOではなく、従来の機種だという。
目指すはASIMO!?
ロボフェスタ会場内を、大きな駆動音を響かせながら闊歩するロボットがあった。日本文理大学平社研究室の2足歩行ロボット“メカロボ君”だ。
“メカロボ君”いつ転倒するか分からないため、平社教授が後ろをついて回る。歩く速度は、人間が普通に歩く速度よりも速い |
このロボットの特徴は、“メカロボ”という名の通り、一切コンピューターを使っていないことにある。センサーなどは搭載しておらず、歩行は2台のジャイロで機械的に制御している。コンピューターやセンサーを使わなかった理由は、平社博之教授によると「予算」だという。
メカロボ君。周りのゴムボールはクッション。後ろには倒れないだろうと予想して、前面と側面にしかつけなかった。実際には後ろに倒れてフレームがゆがみ、ジャイロが騒々しい摩擦音を響かせていた |
ラジコン用のサーボモーターが並ぶ、手作り感あふれる本体上面。個人的には、こういうのは夢があって好きです |
操作は、市販のラジコンカー用プロポを使う。本体上部には、ラジコン用のサーボモーターが並んでいる。平社教授は9年間、このロボットを研究してきた。次の目標は、という質問に、「ASIMOを超えてみたい」と笑った。
そのほかに会場内で見つけたもの
ホンダのブースに並んでいた『ASIMOアドベンチャー』。画面上に現れる障害物を乗り越えて、迷子の子犬を助ける。イベントなどに出展するが、販売はしないという。ゲームのプラットフォームは非公開 |
レゴ ジャパン(株)の『Crazy Musician(クレイジー ミュージシャン)』。実際にこのロボットたちが演奏するわけではないが、見ての通り迫力は満点 |
サイケデリックというか何というか、表現に困るデザイン。なぜこのようなデザインになったかというと、同社によれば「デンマーク本社の、デザイナーの趣味」だという |
東京大学の中村・岡田研究室が開発中の手術支援ロボットシステム。心臓を手術する際、ぶれないように画像処理した映像をモニターに表示する。メスを連動させることで、鼓動している心臓でも止まっているかのように手術できるという |
会場では、新型『AIBO』を操縦することもできた。報道陣も仕事を忘れて、AIBOを操作 |