Colorio PM-890C
Colorio PM-890C
2001年11月16日 17時12分更新
文● アスキーPC Explorer編集部・行正 和義
「PM-890C」は、従来機「PM-880C」の後継機にあたり、同社のColorioシリーズの中堅主力モデルだ。普及価格帯ながら2000年末の最上位モデル「PM-900C」や「PM-920C」とほぼ同等の印刷機能を持つお買い得な製品と言える。
最上位機種なみの基本機能を搭載
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PM-890Cのサイドビュー。カット紙フィーダとロール紙ホルダを同時装着している。 |
PM-890Cは、4plドロップの6色インク、四辺フチなし印刷機能といった基本仕様は従来機とほぼ同等だが、印刷解像度は1440×720dpiから2880×1440dpiに向上し、ロール紙とCD-R/RWメディアへの印刷機能が追加された。
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PM-890Cのインクタンク。Bk(左)とカラー一体(右)の2タンクで構成される。 |
これらのスペックは、ダークイエローインクがないことを除けば2000年冬の同社最上位機種PM-900C(6万9800円)や、900Cのマイナーチェンジ版であるPM-920C(6万4800円)とほぼ同一だ。にもかかわらず、PM-920Cより2万円も安く、2001年の新モデルである
PM-950Cより1万500円安い4万5800円という手ごろな価格になっている。
ただし、印刷ヘッドは880Cと同じく48ノズル×6色という構成で、900C/920Cの各96ノズルに比べると半分だ。各部のチューンにより印刷速度の高速化が図られているものの、印刷速度は880Cよりも若干向上している程度で、同じ解像度でヘッド幅が1/2であることからPM-950Cの半分の印刷速度になる。
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【PM-890C印刷サンプル】印刷サイズは写真画像部分が82×112mm、フラットベッドスキャナにて300dpiでスキャンしたもの。掲載用にリサイズしている。 |
印刷結果を見ると、印刷品質は非常に良好で、PM-950Cに比べても肌色から暗部へのグラデーションに若干ムラがある程度だ(ダークイエローの有無が比較的わかりやすいポイント)。印刷速度に関しては、高速化が進む最近のインクジェットプリンタの中ではかなり遅く、文書印刷も用途のひとつと考えている人にはあまり向かない。なお、印刷速度のテストではエコノミーモードも併記したが、PM-800シリーズのエコノミーではドットが大幅に間引かれて10.5ポイントの文字が判読できないほど粗くなる(PM-950Cではエコノミーでもそれなりに読める品質に向上しているが、印刷速度は「推奨/はやい」とほとんど変わらない)。実用上、利用できるのは「推奨/はやい」のモードである。
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スキャンした画像データを640×480ドットにトリミングしたもの。 |
印刷品質にわずかに違いがあるとはいえ、同社の最上位機と大差ないスペックと機能が利用できるコストパフォーマンスの高さが本機の最大の魅力と言える。
作例モデル:渡辺まい。アーデニー・エンタテインメント所属。19歳。身長158cm、スリーサイズB92、W56、H88cm。「ドコアル」サイト(
http://docoal.com/)で「アイドル日記」配信中。
印刷速度比較の結果
文書 (Microsoft Word 10ページ普通紙)
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推奨/はやい | 6分04秒 |
詳細/エコノミー | 2分39秒 |
画像
(Adobe Photoshop ハガキサイズ/PM写真用紙)
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推奨/精細 | 1分44秒 |
Colorio PM-890Cの主なスペック
解像度 |
2880×1440dpi |
インク構成 |
Bk、C/M/Y/LC/LM |
ノズル構成 |
Bk:48ノズル カラー:48ノズル×5 |
ヘッド構成 |
ノズル固定、黒インク+カラー一体型インクタンク |
インターフェイス |
USB、パラレル |
本体サイズ |
493(W)×306(D)×183(H)mm |
重量 |
約6.9kg |