6月1日にバルク版が登場してから約1カ月たち、ようやくXeonのリテールボックス品が登場した。PentiumIII/4のリテールボックスより2まわり以上大きい、巨大なパッケージが印象的だ。
今回登場したリテールボックス品は1.5GHzと1.4GHz。最高クロックとなる1.7GHzは、今回は入荷していない。S-Specは1.5GHzが“SL4ZT”、1.4GHzが“SL56G”となっている。コア電圧は1.7V、256KBの2次キャッシュ、603ピンのSocketFなど細かい仕様は従来どおり。
Xeonのリテールボックス。巨大だ |
ノートPC(写真奥)と比較してみると、その大きさがよく分かる |
“for Dual Processor-Based Workstations”とうたわれたXeon。基本的にはSECC2版PentiumIII-1GHzと(大きさ以外は)よく似た、白箱にシールが貼られているだけのパッケージだ |
リテールボックスと言えば気になるのはCPUクーラー。これは右の写真を見てもらうと分かるのだが、かなり大きくユニークなタイプとなっている。
横一列に並んだフィンの1枚1枚は中がくり貫かれていて表面積を稼いでいる。このフィン構造のためファンはヒートシンクの上面ではなく、専用のプラスチック部品を利用して横から風を当てるタイプとなる。このため、かなり横に長いCPUクーラーとなる。パッケージには「Passive Heatsink with Processor Wind Tunnel」と表記され“風のトンネル”という表現となっているが、まさにトンネルの中を風が通る構造となっている。付属しているファンは山洋製で“109R06112G4031”という製品が使われているが、残念ながら現時点でスペックは不明。実際に試したというUSER'S SIDE本店によると「すでに流通している“高速回転版”の6cm角ケースファンの風量に近い」という。
パッケージの中にはこのようになっている。プラスチックの専用器具は3つの部品に分解されていて、3つを組み立ててひとつのユニットにする |
3つの部品の1つ。これは6cm角のファンをヒートシンク部に固定するためのもの |
組み立てたクーラー。反対側から見てみるとこんな感じ |
ヒートシンクはこのような形をしている |
フィン。かなり表面積を稼いでいるのが分かる |
ヒートシンクの底面はきれいに研磨されている |
ファンは今回も山洋電機製だ。ぱっと見たところは6xm角のケース用ファンそっくり |
パッケージには“Passive Heatsink with Processor Wind Tunnel”という文字列が刻まれている |
同梱の固定具。「固定用の部品が付属していないTyanのThunder i860でも、これがあればマザーボードに固定できる」(USER'S SIDE本店) |
ヒートシンクの固定具も同梱されているが、これはネジ止め式。XeonのCPUクーラー用リテンションはPentium 4用と同じ大きさのため、固定方法は共用。もしリテールボックス品のCPUクーラーがケースやマザーの都合上取り付けることが出来ない場合、市販されているPentium 4対応CPUクーラーで代用することが可能と思われる。またケース側にネジ穴が用意されてない場合、市販されているPentium 4用CPUクーラーサポーターにて固定することもできそうだ。
なお、パッケージにはPentium 4にも同梱されていた信越化学製のシリコングリスも同梱されている。
価格はXeon-1.5GHzが高速電脳とUSER'S SIDE本店で4万9800円、同1.4GHzが高速電脳で4万1800円。高速電脳ではそれぞれ1つずつ、USER'S SIDE本店では1.5GHzを6個入荷していた。バルク版よりCPUクーラーが付属している分、割安感があると言えるだろう。
Intel名物(?)のCPUロゴ入りシールも、もちろん付属 |