アナログビデオの置き換えにおススメなモデル
日立の「DT-DR3300」は、日本ビクターの「HM-DR10000」と同様にハイビジョン録画はできないが、内蔵MPEG2エンコーダ/デコーダを利用したアナログ放送のデジタル記録に対応するD-VHSデッキだ。GRT(ゴースト・リダクション・チューナ)を内蔵し、アナログBSチューナも標準搭載しているので、アナログ放送のエアチェック(デジタル録画/保存)が主目的であればコストパフォーマンスの高い製品といえる。
リモコンのふたを開けると「Gコード変換ボタン」がある。Gコード入力しておくと、このボタンで対応番組の放送日、開始/終了時間が表示される。 |
日立製作所のD-VHSデッキは(本機と上位機DT-DR20000ともに)、録画する前にMPEG圧縮の画質を確認できる「Dモニタ」という機能を持っている。リモコンのモニタボタンを押すだけで、スルーの画像と圧縮後の画像が交互に切り換わる仕組みだ。本機で試した場合、Dモニタをオンにすると映像の雰囲気は確かに変化するが、STDでもLS3でも極端な劣化はなく安心できる。ただし動きが激しい映像では、LS3にすると細部がつぶれ気味になり、ブロックノイズも増える。これが気になるようなソースならSTDモードに切り替えればいい。事前に画質を確認できるのは親切な設計だ。
フロント左端にCMスキップ録画機能を表示するランプがある。前面カバーを開けると操作部が現れる(写真下)。 |
この機種にはi.LINK端子はなく、コンポーネント出力端子としてD1端子×1が装備されている。 |
ゴースト対策を施した内蔵チューナ(GRT)に共通する特徴でもあるが、特に地上波の画像は白が明るく、コントラスト感が高い。エンコード記録した録再画像も同様の雰囲気になり、いい意味で見栄えがよく、メリハリがある。BSの受信画像はすっきりとした見通しの良さが特徴で、輪郭も素直に見せる。エアチェック後もブロックノイズは増えず、劣化も事実上ほとんど気にならない。これだけの録画性能があれば、手持ちのアナログビデオデッキから乗り換えたい衝動にかられそうだ。音声は自然で中高域にくせがなく、安定感が高い。ただ、低域の抜けはアナログビデオデッキの上級機ほどではない。
LS3モードの録再画像は、動画中心の画像で見ると情報量が低減しているのがはっきりわかるが、静止画や動きの少ないプログラムでは、それほど劣化は気にならない。画質的にはSTDと同じようにコントラストの高い画像を表示する。MPEG圧縮に伴うブロックノイズも、皆無ではないが許容できる範囲ではある。
また、日立製作所のビデオデッキといえばテープナビが大きな特徴だ。本機も漢字変換に対応し、従来モデルと同等の使い勝手を実現している。
D-VHS対応デッキはVHS以上に長時間モードの利用頻度が高くなるわけで、その場合、頭出しが簡単にできるかどうかが使い勝手を大きく左右する。本機のテープナビは、その意味でたいへん完成度が高く、ストレスなく使いこなすことができる。
わかりやすいメニュー画面が特徴。左のタブ切り替えで選択できる項目は「予約」「結果」「一覧」「検索」「受信」「機能」の6つ。 |
録画順の全登録番組検索だけでなく、「番組タイトル」「番組ジャンル」「録画日(月、曜日)」による検索も可能。 |
録画日/チャンネル/ジャンル/録画開始時刻/録画時間/録画モードなどがひと目でわかるように工夫されている。 |
録画モード(D-VHS) | STD/LS3 |
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内蔵チューナ | VHF/UHF/BS/CATV |
i.LINK端子 | なし |
本体サイズ | 435(W)×323(D)×132(H)mm |
重量 | 6.8kg |