(株)童夢と日本テクノマティックス(株)は23日、レーシングカーの開発・設計に関する生産技術分野で、技術提携したと発表した。
童夢製“TAKATA NSX-GT500” |
提携期間は1年間で、1年後に提携を延長するかどうか見直しを行なう。テクノマティックスがモータースポーツに進出するのは初めてで、童夢が『eMPower』を導入するのも初めてのことだという。
『eMPower』は生産技術支援ソフトウェアで、大手の完成車メーカーなどでも採用されている。童夢取締役開発部長の奥明栄氏によると、童夢はレーシングカーの開発・設計は行なっているが、実際の生産はほかの完成車メーカーに委託しており、『eMPower』によってメーカーとデータを共有する。
『eMPower』のロゴがマシンにつく |
また、ドライバーのポジションを決めるのに、これまではモックアップを使って実際に人間が乗り込んでチェックしていたのを、『eMPower』上で仮想的に行なえる。奥氏は、『eMPower』を当面はデジタルファクトリー、デジタルモックアップとして利用し、そして、更なる応用を考えていくとしている。
日本テクノマティックス副社長のオリビエ・レトートル(Olivier Leteurtre)氏によれば、『eMPower』を利用することでレーシングカーの製作時間の短縮、設計意図の正確な反映、技術情報の共有が行なえるという。
今回の提携で日本テクノマティックスは、童夢に対して『eMPower』などを基本的に無料で提供する。しかし、『eMPower』を設計に利用したレーシングカーがコース上に姿を現わすのがいつになるのかは、現時点では未定。