ボーランド(株)は、Linuxネイティブのビジュアル開発環境「Borland Kylix」の日本語版を5月18日より出荷すると発表した。
「Borland Kylix」日本語版画面 |
従来、Linuxの開発環境はコマンドライン・ベースで商用コンパイラも少なく、開発者に高いレベルが要求されることが、Linuxアプリケーション不足の一因であるとも考えられてきた。
Kylixは、Windows用開発環境「Borland Delphi」をLinux上に移植した製品であるため、Delphiユーザーであれば簡単に操作することができる。 また、130種類以上の部品を提供するコンポーネントライブラリ“CLX(クリックス)”を次期バージョンのDelphiに実装し、LinuxとWindowsアプリケーションの互換性を実現するという。そのほかの主な特長は以下のとおり。
- NetCLX……Apache用モジュール開発のためのコンポーネント
- dbExpress……「Oracle 8i」や「DB2」などのRDBMSへの接続を可能にするアーキテクチャ
- MyBase……XMLベースのデータベースエンジン
- ビジュアル開発とコーディングとの2Way-Tool
- ソースレベルでのデバッグ環境
- Linux専用のネイティブコードコンパイラ
製品のラインナップは、アプリケーション開発環境「Kylix DesktopDeveloper」とサーバ開発環境「Kylix Server Developer」。
「Kylix DesktopDeveloper」画面 |
「Kylix DesktopDeveloper」は通常12万円のところ、9月20日までは6万8000円、Delphiユーザーには3万2千円から3万8千円で提供される。「Kylix Server Developer」は24万円。ボーランド(株)では、今回、Linux市場の活性化のために思い切った価格設定を行なったという。
また、Kylixの動作確認が完了した製品に対し、Web上や印刷物で“Kylix Ready”ロゴを表示する「Kylix Readyプログラム」も開始する。形態は以下の2通り。
- 「Kylix Ready」……パッチを適用しなくても「Kylix」を使用できる
- 「Kylix Ready with patch」……ディストリビュータから「ローダーの問題」に対応する公式なパッチを入手でき、パッチを適用することで、「Kylix」が使用できる
各社との提携について
Kylix日本語版の発表に際し、ターボリナックス ジャパン(株)、(株)テンアートニ、ミラクル・リナックス(株)との提携も発表された。各社との提携内容は以下のとおり。
ターボリナックス ジャパン(株)
- 「Turbolinux Workstation 日本語版 6.0」を「Kylix」の動作検証ディストリビューションとして採用
- ボーランドユーザーへ「Turbolinux Workstation 日本語版 6.0 Limited Edition」を通常6800円のところを5800円で提供
- 「Kylix」の製品パッケージに「Turbolinux Workstation 6.0 Limited Edition(FTP版)」を収録
(株)テンアートニ
「Borland Kylix」と「Red Hat Linux 7J」をカップリングした「Do Meister」を販売、出荷は5月下旬の予定。価格は7万4800円。
ミラクル・リナックス(株)
「Miracle Linux with Oracle8i」に「Borland Kylix Server Developer」日本語版を組み合わせた「Miracle Linux with Oracle8i/Kylix」を販売、価格はオープン。