3Dゲームも快適に動く
1GHzノートとGeForce2 Goのパワフルタッグ
本機のレビューで読者が一番気になるのは、やはりパフォーマンス(各種ベンチマークテストの結果)だろう。今回借用評価したのは試作機(HDDは20GBのUltraATA接続、ディスプレイドライバも試作バージョン)だが、東芝の厚意によりベンチマークテストを実行、結果を掲載することができた。ただし、あくまでも試作機でのテスト結果なので4月上旬に出荷される予定の製品版とは結果が異なる可能性がある。あくまで参考値として見てほしい。
今回CPUやビデオチップで本機A1/X10PMCに匹敵するモデルをテストできなかったので、同じ東芝のラインナップから「V1/470PMC」と、デスクトップPCのテスト環境でGeForce2 MXカードを使って測定結果を比較対象として紹介する。なお、上記2つの主なスペックは以下のとおり。
機種名 | A1/X10PMC | V1/470PMC | デスクトップPC テスト環境 |
---|---|---|---|
CPU | Mobile PentiumIII-1GHz | Mobile PentiumIII-700MHz | PentiumIII-800EBMHz |
メモリ | 128MB(PC100) | 128MB(PC100) | 128MB(PC133) |
ビデオ | GeForce2 Go(16MB) | CyberBlade XP(16MB) | GeForce2 MX(32MB) |
ノートPCで初のハードウェアT&Lを使用した3DMark 2000 V1.1の実行画面。 |
テストはDirect3Dを使った「3DMark 2000 V1.1」、OpenGLを使った「QUAKE III Arena DEMO」とNvidia向けアドオンを追加した「QUAKE III Arena Nvidia DEMO」の3つを使用。ただし、V1/470PMCではQUAKE IIIが実行できなかった(実行に必要なOpenGLのAPIがCyberBlade XPでは未サポートのため)。
結果を見ると、PentiumIII-800EBMHzのデスクトップPC+GeForce2 MXには40%程度およばないものの、ノートPCとしては前代未聞の2000オーバー(どころか3000近い)3DMarkスコアを出している。かなり動作が重いはずのQUAKE III Nvidia DEMOについても、こちらはCPUパワーが大きく効いているためと思われるが、デスクトップPCの約90%超という高いスコアだ。CPUクロックが20%上回っているのにデスクトップPC+GeForce2 MXに届かなかったのは、ビデオチップの差、とくにコアクロックが約20%低い(ただし東芝はGeForce2 Goのコアクロックを公開していない)のが響いた思われる。それでも、このベンチ結果はノートPCとして大きな躍進だ。
東芝オリジナルの「省電力パネル」。画面はACアダプタ使用時のものだが、バッテリ駆動ではバッテリの残量に合わせて4段階に調整できる。 |
パフォーマンス重視の本機では、放熱(発熱)が気になるかもしれないが、実際に数時間連続して使ってみても意外なほど熱さは感じない。底面を触っても温かみを感じる程度で、仮に太ももの上などに載せて作業をしていても“熱くてたまらん”といったことはないだろう。これは、背面に約5cm幅と広めに設けられたスリットから勢い良くファンからの風を噴き出すことで筐体への熱伝導を抑えているようだ。それだけに動作中はファンの風切り音がやや気になるので、家庭で使う場合には東芝オリジナルの「省電力パネル」を使ってCPUの「熱制御」を調整するとよいだろう。
なお、バッテリ駆動時間はASCII Labs.オリジナルベンチマークテストによると1時間7分。同テストの結果としては、A4ノートの標準的な駆動時間で、Mobile PentiumIII-1GHzとGeForce2 Goの省電力化は十分な効果を挙げているようだ。
価格はオープンプライスで、予想実売価格は38万円前後。最高級スペックを備えているだけあってA4オールインワンノートの中では高価格だが、機能に妥協したくないハイエンド指向のユーザーは検討してみてはいかがだろうか。
CPU | Mobile PentiumIII-1GHz |
---|---|
メモリ | 128MB |
液晶 | 15インチTFT |
解像度 | 1400×1050ドット/フルカラー |
HDD | 20GB |
CD-RW& DVD-ROM |
R8倍速/RW4倍速/DVD8倍速/CD24倍速 |
通信 | モデム&LAN |
サイズ | 328(W)×277(D)×40.7~44.7(H)mm |
重量 | 約3.5kg |
OS | Windows Millennium Edition |
Officeアプリ | Office 2000 Personal(SR-1) |