フライトシミュレータのアドオンソフトの開発会社として知られる(株)エアロシムが、国産で「CFS2」専用としては初のアドオンソフト「珊瑚海・雷撃隊」を発売した。価格は5800円。
インストールすると自動的にシナリオも追加され、すぐに新しい機体で楽しむことができる。これらは「シングルミッション」「フリーフライト」「クイックコンバット」「マルチプレイ」などで操縦することができる。 |
マイクロソフトの“空の大作”といえば、「Flight Simulator」(FS)シリーズと「Combat Flight Simulator」(CFS)シリーズが有名だ。これらのタイトルの人気の秘密は、ゲームそのもののクオリティの高さに加えて、もうひとつ、豊富なアドオンソフトの存在が挙げられる。ゲームに新しい機体やシナリオ/ミッションを追加してくれるアドオンの発売は、フライトシミュレータファンにとって、大きな楽しみのひとつといえる。
オススメのシナリオ「敵空母への雷撃!」。九七式艦攻は、零戦で小隊を組むときと同様に、プレイヤーが担当する隊長機を先頭に、2機が後続する形で編隊を組む。 |
今回、ご紹介する「珊瑚海・雷撃隊」は、12月1日にマイクロソフトより発売された「COMBAT FLIGHT SIMULATOR2」(CFS2)専用のアドオンソフト。内容は、タイトルどおり「1942年の珊瑚海海戦で雷撃隊を率いることができる」というもので、海外で開発されたことに起因するCFS2の唯一の弱点「日本人向けシナリオの少なさ」を大幅に補ってくれる実にありがたい1本だ。
翔鶴を発艦する直前の九七式艦攻の様子。 |
援護してくれるはずの零戦隊は群をなしてとっとと先行してしまったので、九七式艦攻3機のみで飛行中の様子。 |
具体的には、珊瑚海海戦を日本側から丸ごと再現するべく、航空機は「零式艦上戦闘機二一型」と「九七式艦上攻撃機」の2機種を、空母は正規空母「翔鶴」「瑞鶴」、軽空母「祥鳳」をそれぞれ忠実に再現した3Dモデルを収録。零戦二一型は、五二型とともにCFS2本編に収録済みだが、本作に収録されているのは、空母仕様機。しかも、グループ対戦を楽しむ際に小隊を組めるように、機体番号を変えて各仕様機を3機ずつ、計18機を収録している。さらに、本編ではコンピュータ専用の機体として用意されている“純正”の九七式艦攻も操縦できるとあって、これも含めると合計19機の追加ということになる。
そして雲間から敵機動部隊を発見。攻撃態勢に入るぞ。 |
シナリオは、珊瑚海海戦が時系列的に堪能できるように、合計8本が用意されている(詳細は表1を参照のこと)。特筆すべきは、CFS2初の対地(正確には対艦)ミッション「敵空母への雷撃!」だろう。800kg魚雷を搭載した九七式艦攻で、正規空母「レキシントン」もしくは「ヨークタウン」の撃沈を狙う。魚雷投下のタイミングがシビアなのはもちろんだが、2隻の正規空母を守る重巡洋艦8隻、駆逐艦11隻が間断なく撃ち上げる対空砲火はとてつもなく凄まじく、難易度「簡単」にしても、侵入路の探索が足りないと、かなりの確率で撃墜されてしまうほどなのだ。
敵は対空砲でお出迎え。このとき、機体はまだ無傷なのに注目。 |
九七式艦攻によるこのミッションは、爆装状態の零戦による爆撃とは訳が違い、3人乗りの大型の機体に800kg魚雷を積んだ状態での操縦になるため、圧倒的に被弾率が高く、総じていえばシナリオの難易度はすこぶる高い。しかし、本編の日本側シナリオには用意されなかった「空母を撃沈する」というドでかい目標は、かつてない新鮮味ととともに、無限のプレイ欲をそそらせてくれる。特にオススメしておきたいシナリオである。そのほかのシナリオも、いずれも極度に緊張感のあるものに仕上がっている。最後に、収録された新機体に搭乗した際、多少従来より動作が重くなる印象があった。「重い」と感じた場合は、解像度を下げてプレイしてみることをオススメしておきたい。
突撃直前の様子。対空砲が炸裂するたびに機体が震え、すでに穴だらけだ。 |
なお、同社の気になる次回作については、局地戦闘機「紫電改」「雷電」、そして夜間戦闘機「月光」の機体を収録したシナリオを開発中のこと。おそらく本土防空戦になりそうだが、う~ん、発売が楽しみだ。
表1 収録シナリオ一覧 | |
ミッション1 | 発艦・着艦訓練(零戦:翔鶴) |
ミッション2 | 発艦・着艦訓練(九七式艦攻:瑞鶴) |
ミッション3 | 敵航空隊を迎撃せよ |
ミッション4 | 緊急発進! |
ミッション5 | 索敵 |
ミッション6 | 緊急発進! 祥鳳を守れ! |
ミッション7 | 敵空母への攻撃支援 |
ミッション8 | 敵空母への雷撃! |
魚雷投下後、戦線離脱する九七式艦攻。傷だらけの機体が痛々しい。 |
当たったか、と思ったら、悠々と航行する敵空母の姿が。残念。 |
こちらは瑞鶴艦上の零戦二一型。 |
直援ミッションは味方の対空砲が当たりやしないかと、結構冷や冷やする。 |
開発元 | (株)エアロシム |
---|---|
発売元 | 開発元に同じ |
問い合わせ先 | 072-861-1306 |
価格 | 5800円 |
対応OS | Windows 95/98/ME+DirectX 7a |
CPU | PentiumII-350MHz以上 |
メモリ | 96MB以上(128MB以上を推奨) |
ビデオ | 640×480~1280×1024ドット/6万色以上(Direct3D対応) |
HDD | 100MB以上 |
CD-ROM | 4倍速以上(起動時不要、ただしCFS2のCDは必須) |
マルチプレイ | 最大8人までの通信対戦(DirectPlay対応) |