(株)イメージワンは、A3用紙に対応したデンマークImacon社の業務用スキャナー『FlexTight PROGRESSION』の国内販売を開始した。
FlexTight PROGRESSION |
Imacon社は、DTP市場やプロの写真家など主にハイエンド市場をターゲットにしている。同社のスキャナー製品は、“ヴァーチャル・ドラム”と名付けられた独自のスキャン機構を持つのが特徴だ。これは、柔らかいマグネット付きのフィルムホルダーでブローニーフィルムなどの透過原稿を固定して、内部の回転式ドラムにフィードする方式。一般的なドラム式スキャナーのようにジェルで原稿を固定する必要がないため扱いが容易なほか、光源とCCDの間のガラス板を省略できるため、光の歪みや反射、ガラス板の汚れによる画像劣化を防ぐことができる。
FlexTight PROGRESSIONでは、このヴァーチャル・ドラムを利用した透過原稿(最大130×180mm)の読み取りに加え、本体下部に静電気を利用して大判原稿を固定する読み取るための原稿台(静電気平床)を用意。A3サイズ(最大290×420mm)の透過/反射原稿の読み取りに対応している。また、静電容量ユニットを外せば、通常のフラットベッドスキャナーとして使用することも可能で、その場合は厚さ10mmまでの原稿を読み取れる。
CCDの解像度は最大5760dpiで、フラットベッドスキャンの場合は、レンズの拡大率の関係で、ベッド全体のスキャン時で最大640dpi~中央部分のスキャン時で3200dpiとなる。A/Dコンバーターは各色14bit(42bitRGB、56bitCMYK)入出力に対応。濃度域は3.9~4.1Dとなっている。本体サイズは幅500×奥行き790×高さ360mmで、重量は35kg。インターフェースはSCSIで、ドライバーソフトはWindows 95/98/NT4.0、MacOSに対応する。
スキャナーをデモするImaconのアンネルス・ヨヘンゼン地域販売部長。手に持っているフォルダーで透過原稿を内部のドラムに固定する |
4×5やブローニーフィルムの読み取りは上部から行なう |
大判原稿の読み取りには、引き出した原稿台を使用する。原稿は静電気で固定する仕組みになっている。 |
イメージワンは、ドラムスキャナーに匹敵する高画質スキャナーとして、プリプレス市場を中心に同製品を売り込んでいく予定。国内での販売価格は325万円程度になるという。