セイコーエプソン(株)は、GPS/デジタルカメラ機能を搭載した、小型携帯情報端末『Locatio(ロカティオ)』を6月9日に発売する。PHS機能も併せ持つ『Locatio-COM』と、携帯電話やPHSとの通信機能を持つ『Locatio-STD』の2モデルがあり、価格はいずれもオープンプライスで、予想実売価格は『Locatio-COM』が10万円弱、『Locatio-STD』が9万5000円程度となっている。
エプソン販売(株)の降旗國臣社長は、「今後一年間で5~8万台の販売を目指す。このうち『Locatio-COM』が7割、『Locatio-STD』が3割程度になると予想している」とコメントした。
『Locatio-COM』(左)と『Locatio-STD』 |
また同社では、Locatioに対し、インターネットを通じて位置情報を利用するための便利なコンテンツやアプリケーションソフトを提供する。有料情報サービス『i-Point
network』を6月9日に開始する。
Locatioは、重さ約290g(Locatio-COM、バッテリー含む)の本体に、3.9インチの反射型カラーTFT液晶ディスプレー、セイコーエプソンが開発した世界最小消費電力のGPSチップを搭載し、小型化とバッテリーによる長時間駆動を実現したという。
GPS機能
GPS関連では、i-Point networkサービスを利用して、電源投入時のGPS衛星補足の際に初期データを受け取り、位置確定までの時間を短縮するTTFI(Time
To First Initialize)や、より正確な位置測定を可能にするDGPS(ディファレンシャルGPS)機能を持つ。また、室内や地下街などGPS衛星を補足できない場所においても、PHS基地局からの情報でおおよその位置を取得することもできる。GPS機能で得た位置情報は、本体に内蔵する地図(東京、大阪の市街地の一部)に重ねて表示することができる。本体に内蔵しない地図についても、i-Point network経由でダウンロードして利用することができる仕組み。
デジタルカメラ
デジタルカメラ機能は、27万画素カラーCCDを搭載し、光学ファインダーにより撮影ができるというもの。320×240ドットのJPEG形式ファイルとして保存される。
携帯情報端末
携帯情報端末としては、スケジューラー、アドレスブックによるPIM機能のほか、PHSや携帯電話によりインターネットに接続し、内蔵のウェブブラウザー(HTML
2.0およびHTML 3.2の一部、SSLに対応)によるウェブブラウジングや、デジタルカメラ画像などを添付ファイルとして送信できるMM(マルチメディア)メール(SMTP/POP3/IMAP4、UUENCODE/MIME対応)などの機能を備える。i-Point
networkと連携して、自分の位置の周辺にあるレストランや宿泊施設を検索したり、画像データや店のデータを自分の位置データと合わせて掲示板に公開したり、といったサービスも用意される。
i-Point network
i-Point networkは、Locatio向けの位置情報関連サービスだけではなく、一般的な携帯情報端末のユーザーが利用できる、以下のような各種サービスを提供する。・インターネット接続サービス
インターネットプロバイダーサービス
・めもちずサービス
インターネット上に用意された地図に、お店の情報を整理したり、公開するなどユーザー相互のコミュニケーション環境を提供するサービス
・ピンポイント経路案内
地図上で指定した場所や、電話番号から、別の任意の場所への経路探索サービス
・ピンポイント天気予報
地図上で指定した任意の場所の天気予報提供サービス
・山と自然の旅
アウトドアで役立つ情報の検索や、野鳥、野草、きのこの電子図鑑サービス
・デジタルぴあMAP
ぴあ(株)、ぴあデジタルコミュニケーションズ(株)との提携による、主要ターミナル駅の地下街詳細図や、出口周辺案内図などの情報提供サービス
・メールDEホームページ
画像添付メールを送信するだけで簡単に自分のホームページとして公開できるサービス
i-Point networkには、インターネット接続サービスを含む、すべてのサービスが利用できる“エグゼクティブ会員”と、インターネット接続はほかのプロバイダーを利用し、それ以外のコンテンツサービスが利用できる“レギュラー会員”の2種類の会員制度がある。料金は、エグゼクティブ会員が、入会金2000円、3時間までのインターネット接続料を含む月額利用料1000円(超過料金は1分につき7円)、レギュラー会員では、入会金1000円で、月額利用料800円となっている。