「スピーチテクノロジーはアジア地域にとって重要な技術だ」と挨拶する、インテル社取締役副社長ジョン・アントン氏 |
インテル(株)は27日、都内のホテルでPentium IIIを利用した音声認識・合成ソフトウェアに関するフォーラム、『インテル
インターナショナル・スピーチ・フォーラム』を開催した。
Pentium IIIは音声技術に最適なプロセッサーというインテル
ゲルシンガー氏 |
米インテル社副社長兼デスクトップ・プロダクト事業部事業部長のパット・ゲルシンガー(Patrick
P. Gelsinger)氏は、フォーラムで「今後、音声処理市場は大きく成長していくだろう。現在、音声認識ソフトだけでなく、メールソフト、インターネット関連ソフト、ゲームなど、さまざまなジャンルの音声処理対応アプリケーションが市場に投入され始めている。これに伴い、パソコンCPUの処理能力の向上がますます重要になってくる。Pentium
IIIは、これらの技術をサポートする最適なCPUだ」と、今後もクロック数の高いCPUのニーズが高まっていくことを示唆した。
フォーラムには予定を上回る、250人を超える来場者(多くは開発者)でいっぱいだった。また、セッションと同時に、別室で音声処理関連製品の展示が行なわれ、来場者の注目を集めていた。
米マイクロソフト社のセッションでは、Windowsプラットフォーム用音声認識/合成APIで、開発中のSpeech
API(SAPI) 4.0 SDK日本語版の紹介され、Visual Basic 6.0を使い、ほとんどプログラムコードを書くことなくアプリケーションの作成ができるというデモンストレーションが行なわれた。
米マイクロソフト社インテリジェントインターフェイステクノロジーグループプログラムマネージャの千住和宏氏 |
このほか、テクニカルセッションでは、各社の音声認識エンジンを元にした製品を開発するデベロッパー向けに、開発上の注意やプログラミングのポイントなどの開設が行なわれた。本日のスピーチフォーラムは全体で8時間にも渡る長丁場だったが、最後のテクニカルセッションまで多くの来場者が聴講し、音声認識/合成技術への関心の高さがうかがわれた。
各社の音声認識/合成製品が多数展示
日本アイ・ビー・エム(株)は、国内発売済みの音声認識ソフト『ViaVoice98』、音声入力対応のデスクトップキャラクター『ViaVoiceアトム』、5月発売予定の音声入力対応のインターネット接続ソフト『声で簡単
インターネット』を出展。 ViaVoiceのランタイムは2月にPentium IIIに最適化ずみという。日本電気(株)は、'99年2月発売した音声入力ソフト『SmartVoice』、および'99年6月発売予定の音声入力対応の日英双方向ソフト『CROSSROAD Ver.3.0』を出展。『CROSSROAD Ver.3.0』は、新しく音声入力に対応したことにより、リアルタイムでの日英翻訳を可能にしたという。現在、30万語が登録されており、旅行会話など日常会話の翻訳ができるという。価格は1万2000円。
『CROSSROAD Ver.3.0 |
米Dragon Systems社は、米国の音声認識ソフト市場で57%のシェア(販売額ベース、2位はIBM)を誇る会社で、法律、医療に特化したソフト、ドイツ語、スペイン語の音声認識ソフトも販売しており、同社の音声認識製品は、米国で高い評価を受けている。今回は、日本語の音声認識ソフト『Dragon
NaturallySpeaking日本語版』を出展。'99年7月末に発売する。価格は1万8000円を予定。担当者によると、今後、国内で発売されているICレコーダーにも対応する予定という。
『Dragon NaturallySpeaking日本語版』 |
(株)タムは、音声認識対応の子供向け英会話ソフト『しゃべリンガル』を出展。'99年6月末の発売を予定している。価格はヘッドフォン付きで1万2000円。
『しゃべリンガル』 |