(財)マルチメディアコンテンツ振興協会(MMCA)会長に4月1日に就任した中村雅哉氏に、今後のMMCAの活動について伺った。
MMCA会長の中村雅哉氏 |
--MMCAでは、今後、どのような事業を進めていくのでしょうか?
「まず、MMCAでは“マルチメディア”の再定義を行なっていく予定です。それから、どの分野に注力するのかなど、事業の再構築・見直しを実行していく予定です。就任したばかりで、正直言って戸惑っていますが、会員の意見を聞いて、勉強をして、具体的な提案を行なっていきたいと思っています」
「MMCAの役割は会員にとってメリットのある事業を展開していかなくてはいけないと、考えています。それが原点ですね」
--再定義が必要ということは、コンテンツの業界が曲がり角に来ているということなのでしょうか? 不況はコンテンツ業界にも影を落としているのでしょうか?
「“人間は遊ぶ存在(ホモ・ルーデンス)である”との、ヨハン・ホイジンガの言葉のとおり、“人間は遊ぶために生まれてきた”と、私は考えています」
「第1次産業、第2次産業よりも第3次産業(サービス)のほうが、ビジネスとしては儲かる形態であるといわれています。さらに突き進めれば、第3次産業は、従来型労働サービス、第4次産業(知識サービス)、第5次産業(情緒サービス)に分類できると私は考えています」
「MMCAとしては、こういったビジネス、世の中のニーズに沿ったかたちで事業を展開していきたいと考えます」
--情緒サービスへの動きと、最近の特徴であるコンピュータグラフィックスやSFXの動きとの間に、接点はあるのでしょうか?
「マルチメディアコンテンツは、コンテンツの中でも、デジタル情報であるわけですよね。コンテンツというのは、デジタルなデータであっても、映画のようにアナログなデータであっても、人に感動を伝えられるものでなくてはなりません。そういった意味では、デジタルコンテンツの前提として、“ハイテク”を生かした“ハイタッチ”なものでなくてはならないと思っています」
--情報立国、文化立国しかない日本では、コンテンツ産学を国策として振興すべきという考えもあります。
「MMCAは通産省管轄の財団ですが、そのほか文部省、郵政省管轄の団体などがあります。今後、それらの活動を調査し、MMCAで具体的に何を会員に提案していけるか考えていきたいと思っています」