日本ヒューレット・パッカード(株)(日本HP)とKDD(株)は13日、都内で記者会見を開催し、両社が共同で企業向けにネットワーク関連のサービスを提供していくことを発表した。
日本HPのエンタープライズ事業統括本部長・飯塚雅樹氏 |
KDDの営業本部マルチメディア企画部長・村上仁己氏 |
今回の提携により、両社は流通、製造、金融など各業種に最適化した業務サポートアプリケーションなどの開発、販売活動を共同で行なうことになる。第1弾として、流通業界向けにサプライ・チェーン・マネジメント(SCM)(*1)製品の
共同開発をすでに行なっているという。また、ERPシステム(*2)分野においても、新規ソフトウェアシステムの開発も視野に入れ共同研究を予定している。すでに流通業の数社にアプローチを行なっており、導入段階まで進んでいる案件もあるという。
KDDはさらに、ルーターなどのネットワーク端末機器の販売を日本HPの販売網を利用して行なう。また、日本HPがユーザーに業務システムを提供する際に専用回線、フレームリレーサービスなど、KDDの既存のネットワークサービスを組み合わせることで、総合的なサービスを提供するという。
日本HPのエンタープライズ事業統括本部長・飯塚雅樹取締役は、「KDDとは日本HPが設立されたころからのパートナー。ユーザーにとって、KDDと共同でサービスを提供することが大きなメリットとなると判断した」とコメントした。
また、KDDの営業本部マルチメディア企画部長・村上仁己取締役は、「“こういうサービスが欲しかった”、とユーザーに言われるようなサービスを提供したい。初年から数10億円の売り上げを目指す」と語る。
注1)サプライ・チェーン・マネジメント:製造業などを対象とした生産・物流管理システム。原材料購入から製品出荷までの物流や、在庫などの管理を行なう。米国では消費財、ハイテク関連企業などを中心に導入されている。
注2)ERP:エンタープライズ・リソース・プランニングの略。全社、あるいは部門単位で統合したデータベースなどとの連携により、財務、人事、販売管理、生産管理、物流などを統合的に管理運用するシステム