イーエムシージャパン(株)は、東京の同社本社にて、同社の提唱するESN(Enterprise
Storage Networks)に対応する『EMC Connectrix』の発表会を開催した。この製品は、ファイバーチャネルによるストレージネットワークを構築する際、ストレージ群とサーバー群をスイッチ接続するもの。LANやWANといったネットワークにおけるスイッチングHubの役割を複数のサーバーとストレージの間で実現する。Connectrixは、内部に最大32ポートのファイバーチャネルの接続ポートを持つ『EMC
Connectrix Enterprise Director』を収納して利用する。1台のConnectrixには最大で2台のEnterprise
Directorを収容できる。
『EMC Connectrix』 |
また、Connectrixを管理するソフトウェアには複数のConnectrixを一元管理する『Connectrix
マネージャー』と、個々のConnectrixを細かく管理する『Connectrix
ポロダクト・マネージャー』を用意している。価格は構成によって異なるが、16ポートのEnterprise
Directorを収納したConnectrix本体で5000万円からで、管理ソフトウェアともに、本日出荷を開始した。
今年の目標は国内での知名度向上
はじめに、池田輝久副社長が今年の戦略についてコメントした。「売上は伸びているのに知名度が低い」 |
「ストレージ製品の過去3年間を調べてみると、EMCは毎年5パーセントずつシェアを伸ばしている。昨年は35パーセントのシェアだった。今年のEMCの戦略は、国内での知名度をあげるということ。ストレージが利用されるプラットフォームを調べたところWindows
NTとUNIXのシェアが伸びている。ストレージはますます大容量になっていくだろう。
ストレージの現状は、それぞれのシステム、それぞれのベンダーごとに個別につながっている。ESNはベンダーを選ばずに集中してデータを管理するものである。ストレージを一箇所に集中させることで、管理者の手間とコストが削減できる。今後はESNに対応した製品を出していく」
ESNで何が変わる
現在、多くの企業で取り入れられているシステム環境では、サーバーとストレージが対になって存在しており、管理者はそれぞれを個別に管理している。ESNは分散して存在するストレージを一括で管理するもの。ESNと似たコンセプトを持つSAN(Storage
Area Network)はサーバーのベンダーごとのストレージネットワークネットワークを提供するが、ESNでは異なるベンダーのストレージもまとめて管理する点が特徴。従来のシステム環境 |
ESNを導入したシステム環境 |
ファイバーチャネルによるサーバーとストレージの接続形態には3種類がある。ストレージとコンピューターが1対1に接続する形式と、2個から126個までのポートをループ状に接続する“Arbitrated
Loop(FC-AL)”形式、そして最大1600万ポートまで相互接続のできる“Switch
or Fabric(FC-SW)”形式。今回のConnectrixはFC-SW形式を提供する。FC-AL形式による接続では、すべてのノードが一定のバンド幅を共有するため、ノード数増加による転送速度の低下が起きてしまう。それに対して、FC-SW形式ではサーバーとストレージのリンク毎にバンド幅を占有して利用できるため、転送速度の低下がないという。
現時点では複数のConnextrix同士の接続はサポートしていないが、今年中には対応の予定という。