松下電器産業(株)は、電機業界の動向と21世紀の松下グループの事業戦略について発表を行なった。同社経営企画室の前川洋一郎室長は、「21世紀の松下グループは、民生、産業、部品の3つの分野をバランスよく擁するエレクトロニクスメーカーをめざす。今後の商品作りは、超“軽・薄・連・省”を軸にしていく」というビジョンを示した。
“軽・薄・連・省”のうち、軽と薄は軽くて薄いノートパソコンやプラズマテレビ、携帯電話、デジタルビデオカメラなどの商品づくりをめざすというもの。また、連はネットワークに接続して使用する製品のことで、次世代の情報家電製品などが含まれる。省は省資源、省エネルギーの製品づくりをめざし、すでに遠心力洗濯機やインバーター冷蔵庫などのヒット商品が生まれているという。
デジタル/ネットワーク商品の国内出荷台数(単位は万台) |
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'97年度実績 |
'98年度見通し |
'99年度予測 |
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MD |
196 |
295 |
355 |
DVDプレーヤー |
20 |
30 |
60 |
デジタルビデオカメラ |
93 |
106 |
119 |
デジタルスチルカメラ |
138 |
180 |
240 |
デジタル衛星放送チューナー |
42 |
76 |
100 |
パソコン |
685 |
720 |
785 |
カーナビ |
1010 |
1250 |
1500 |
携帯電話・PHS |
2972 |
3310 |
3100 |
デジタルPPC(普通紙複写機) |
34 |
37 |
42 |
また、同氏はデジタル/ネットワーク商品の国内出荷台数の見通しも示した。「家電業界には“3種の神器”という言葉があり、かつては白黒テレビ、冷蔵庫、洗濯機だった。これが'80年代はエアコン、VTR、CDプレーヤーに、90年代は、パソコン、携帯電話、テレビゲームにかわった。2000年代の三種の神器は、DVDでマルチメディアコンテンツのやりとりをする“DVD World”、モバイル情報端末、そしてセットトップボックス型でテレビの上において使う“セットトップボックスパソコン”になると思う」との見解を示した。