トレンドマイクロ(株)は、同社のセキュリティー事業の新戦略とロードマップを発表し、インターネットセキュリティーに特化した“Border
Security(ボーダーセキュリティー)”分野に進出することを明らかにした。“Border
Security”とは、イントラネットといった企業内ネットワークとインターネットを結ぶ玄関口にあたる、インターネット・ゲートウェイ上のセキュリティーを表わすもの。本日行なわれた記者会見では、この“Border
Security”を実現するための製品群のひとつとして『InterScan eManager』も同時に発表された。
トレンドマイクロ代表取締役スティーブ・チャン氏 |
まず、同社代表取締役のスティーブ・チャン氏が“Border Security”のコンセプトについて説明。これによれば、「現在、企業の市場価値を決める要素としてインターネットが重要な位置にある。米Yahoo!社、米AOL社などに代表されるように、広告、ポータル、トランザクションの分野でインターネットが創り出した企業は多い。こうした中、電子商取引も増えてきており、中でも特にセキュリティーへの需要が高まっている」と説明した。
「イントラネットのセキュリティーは、“インフラ”、“コンテンツ”、“アプリケーション”、“オペレーション”に分類できるが、これらのセキュリティーにはまだ明確なリーダーは存在しない。我が社では、この中でもウイルス、Javaアプレット、Eメールなどを含む“コンテンツ”分野である、“Border
Security”に特化して、事業を展開していく」とした。
その後、同社開発部プロダクトマネージャーの加藤貴氏により、“Border
Security”を実現するための製品群『InterScan Suite』についての説明が行なわれた。
『InterScan eManager』は、メールをフィルタリングすることで、スパムメールや勧誘メールなど不要なメールがイントラネット内に侵入するのを禁止する。また、大量メール受信時におけるトラフィックの管理なども可能。
『InterScan AppletTrap』は、未署名のJavaアプレット、未認証のActiveXコントロールが事前の検証なしにイントラネット内に広がるの防ぐことが可能。また、登録されているURLやパターンマッチングに基づき、既知の不正Javaアプレットをインターネットゲートウェイでプロックできる。
『InterScan WebManager』は、クライアントによる不適切なウェブサイトへのアクセス制御が行なえる。トラフィックの統計レポート作成機能のほか、HTTPプロトコルの帯域幅の管理も可能で、不適当なネットワークリソースの使用と不要なウェブコンテンツへのアクセスをブロックできる。
出荷時期は『InterScan eManager』が4月、『InterScan AppletTrap』が6月、『InterScan
WebManager』が9月の予定。金融、保険、製薬会社などの機密情報を持ち、かつ1000人規模以上の大企業をターゲットとして販売を展開する。そのほか、業種を絞ったセミナーなどの開催を予定している。
販売方法としてはインターネットゲートウェイ上のウイルス対策製品『InterScan
VirusWall』のオプションとしての出荷となり、『InterScan eManager』の価格は95万円(1サーバー/ユーザー無制限)。