ベイ・ネットワークス(株)は、“CATVインターネット・ソリューション・セミナー”を開催し、CATVビジネスの最新動向などを紹介した。
スピーカーは、社内外から招かれた。その中で、(株)インターネット総合研究所の藤原洋氏は、国内外のCATVビジネスについて総括した。藤原氏は、「'98年は、インターネットユーザーが全世界で1億人を、日本で1000万人を超えた記念すべき年だ」とし、CATVについてもインターネットの話題を中心に語った。
CATVインターネット市場で同氏がまず注目するのは、ケーブルモデムの標準化の動きである。たとえば、TCIやタイムワーナーのような、複数のCATV局を統括するMSO(Multiple
System Operator)が中心となって推進するMCNS(Multimedia Cable Network System)規格は、昨年規格化が完了し、22社がこれを支持。北米で広く普及している。ケーブルモデム規格の国際標準化は、現在IEEEにより進められているが、日・米・欧を一本化することは困難な状況なのだという。
同氏はこのMCNSを、ケーブルモデムのコストダウンに寄与するだけでなく、シスコシステムズ社やスリーコム社、ベイ・ネットワークス社などルーターベンダーの市場参入を活性化したとして高く評価した。CATVインターネットの競合として注目されるxDSLについては、「ISDNが普及している日本では、ISDNと相性の悪い(ノイズが発生するケースがある)xDSLは育たないかも」とコメントした。
また、米国のCATV事業の傾向として、タイムワーナー社のCATVサービス“Road
Runner”とMediaOne社のCATVサービス“MediaOne Express”との統合や、AT&T社によるCATV大手TCI社の買収など、サービスやインフラの規模が拡大していることを挙げた。国内については、「海外のようにM&Aを頻繁に行なう風土はないが、KDDや電力会社、日本テレコム、日本に上陸するという話もある米国CATV会社@Home
Networkらのいわば“非NTT系”が、大規模なCATV同盟を組む可能性もあるのでは」という見方を示した。