日本アイ・ビー・エム(株)は、同社の『Aptiva E Series』の新モデルとして、省スペースデスクトップ型の『Aptiva
E Series D1J』を14日に発売すると発表した。また、同社の『ThinkPad 235』シリーズの後継機として、MMX
Pentium-266MHz搭載モデルを発表したほか、新たに『ThinkPad 600E』シリーズを『ThinkPad』シリーズのラインナップに追加。モバイルPentium
II-300MHz搭載モデルを同じく14日に発売する。
同社パーソナルシステム事業部長の堀田一芙取締役は、低価格デスクトップを中心とした同社の戦略について、「今まで、環境に優しいなど、いろいろ優しいことをやってきたが、ついに“財布に優しい”製品の発表となった」と新発売の『Aptiva
E Series D1J』について語っている。また、「今後Aptiva E Seriesの約40パーセントを低価格デスクトップモデルに移行させる」と同社の低価格デスクトップモデルにかける意気込みを強調した。
10万円以下の価格のPCを出す見込みについては、「あくまでもサポート、コンセプトで優れたAptivaのブランドを低価格で提供することが目標」と、本体のみの販売で699ドルという低価格を誇る米国向けモデルとは一線を画す姿勢を見せた。
同社パーソナルシステム事業部長の堀田一芙氏 |
本日の記者会見では、10日に発表された手書き入力機器『CrossPad』のデモンストレーションも行なわれた。周辺機器なども視野に入れた統一的な使い勝手の良さにおける、同社の取り組みがあらためて強調された。
『CrossPad』 |
『Aptiva E Series D1J』
『Aptiva E Series D1J』は、CPUに同社製のIBM 300を用いた低価格省スペース型デスクトップ。筐体は新たに横置き型を採用し、サイズは幅315×奥行き372×高さ91mm。『Aptiva E Series』の他モデルで採用されているマイクロタワー型に比べ、約40%の省スペース化を図っている。なお、セットとなるモニターは、15インチCRTモニターのみ。『Aptiva E Series D1J』 |
今回採用されたCPUのIBM 300は、米サイリックス社のインテル互換CPU『6x86
MII PR300』をIBMの自社工場で生産したもの。動作周波数は75MHzの3倍動作にあたる225MHzで、64KBの一次キャッシュを内蔵。パフォーマンスは、整数演算を中心に高速化されており、性能的に対応するAMD
K6のクロック周波数を表わすPR(パフォーマンスレート)の値は300となっている。
『Aptiva E Series D1J』は、標準メモリー64MB(最大256MB)、HDD容量3.2GB、32倍速のCD-ROMドライブ、K56flex/V.90自動認識の56Kモデムを搭載。チップセットには2Dビデオアクセラレーター内蔵のSiS5598を採用し、バスクロックは75MHz。拡張スロットはPCI/ISA共用スロットが1基用意される。なお、UMA(Unified
Memory Architecture)の採用により、標準メモリー64MBのうち4MBは、VRAMに割り当てられる。
主な同梱ソフトは、『Word98』、『Excel97』、『Outlook98』、『VoiceATOK
for ViaVoice』など。価格はオープンプライスで、同社の通信販売での価格は14万9000円。
主な仕様
機種名 |
Aptiva E Series D1J |
モデル名 |
2156-1J5 |
CPU |
IBM 300 |
キャッシュ容量(1次/2次/最大) |
64KB/512KB/512KB |
チップセット |
SiS5598(ビデオチップ内蔵) |
バスクロック |
75MHz |
メモリー |
64MB(最大256MB) |
VRAM |
4MB(UMA方式) |
HDD |
3.2GB |
サウンド |
Sound Blaster PRO互換 |
ディスプレー |
15インチCRTディスプレー |
解像度 |
最大1280×1024ドット(6万5000色) |
拡張スロット |
PCI/ISA共用バス×1 |
内蔵モデム |
56Kbps(K56flex/V.90自動認識) |
寸法 |
幅315×奥行き372×高さ91mm |
重さ |
6.8kg |
OS |
Windows 98 |
同梱ソフト |
Word 98、Excel 97、Outlook 98など |
価格(予想実勢価格) |
オープンプライス(14万9000円) |
『ThinkPad』シリーズ
MMX Pentium-266MHzを搭載した『ThinkPad 235(2607-20J)』と、モバイルPentium II-300MHzを搭載した『ThinkPad 600E(2645-55J)』の2モデルが発表された。『ThinkPad 235』 |
『ThinkPad 235(2607-20J)』の従来機種からの主な変更点は、CPUとHDD。従来のMMX
Pentium-233MHzから同266MHzへ、HDD容量は3.2GBから4.0GBへとそれぞれ拡張された。その他の基本性能に関しては従来通りで、メモリーは標準32MBのEDO
RAM(最大96MB)、ビデオチップは米C&T社の65555(VRAM2MB)、SVGA対応の9.2インチのTFT液晶ディスプレー(最大26万色)などを搭載している。価格はオープンプライスで、同社の通信販売での価格は23万9900円。
『ThinkPad 600E』 |
今回新たに『ThinkPad 600E』シリーズが『ThinkPad』の製品ラインアップに加わった。基本的には、従来モデルの『ThinkPad
600』にビデオチップやHDD容量などの変更を加えたマイナーバージョンアップ。今回追加されたモデル(2645-55J)では、CPUにモバイルPenium
II-300MHz、ビデオチップには米NeoMagic社の256bitアクセラレーターチップMagicMedia
256AV(VRAM2.5MB、AGP接続)を搭載。従来機種ではXGAで最大26万色と不満の多かった色数が最大1677万色になったほか、AGP機能とデュアルモニター機能をサポートしている。
また、従来の24倍速CD-ROMに代わって、2倍速のDVD-ROMが搭載され、ビデオ出力を通じ、テレビでDVDビデオを見ることが可能になった。HDD容量は5.1GBから6.4GBに拡張されている。それ以外の性能に関しては従来通りで、メモリーは標準64MBのSDRAM(最大288MB)、ディスプレーはXGA対応の13.3インチTFT液晶ディスプレーとなっている。価格はオープンプライスで、同社の通信販売での価格は49万9000円。
主な仕様
機種名 |
ThinkPad 235 |
モデル名 |
2607-20J |
CPU |
MMX Pentium-266MHz |
キャッシュ |
512KB外部キャッシュ |
チップセット |
FireStar PLUS + FireLink |
メモリー |
32MB SDRAM(最大96MB) |
ビデオチップ |
米C&T社製65555 |
VRAM |
2MB |
HDD |
4.0GB |
サウンド |
Sound Blaster PRO互換 |
ディスプレー |
9.2インチTFT液晶ディスプレー |
解像度 |
800×600ドット(最大26万2144色) |
外部端子 |
シリアル、パラレル、CRT,マイク、ヘッドフォン、PS/2、USB、赤外線ポートなど |
PCカードスロット |
TypeI/II×3または、TypeIII×1(CardBus対応)およびTypeI/II(ZVポート対応) |
寸法 |
幅235.2×奥行き173.2×高さ33.7mm |
重さ |
1.25kg |
OS |
Windows 98 |
価格(予想実勢価格) |
オープンプライス(23万9900円) |
機種名 |
ThinkPad 600E |
モデル名 |
2645-55J |
CPU |
モバイルPentium II-300MHz |
キャッシュ |
512KB外部キャッシュ |
チップセット |
440BX |
メモリー |
64MB SDRAM(最大288MB) |
ビデオチップ |
米NeoMagic社製MagicMedia 256AV |
VRAM |
2.5MB |
HDD |
6.4GB |
サウンド |
Sound Blaster PRO互換 |
ディスプレー |
13.3インチTFT液晶ディスプレー |
解像度 |
1024×768ドット(最大1677万色) |
外部端子 |
シリアル、パラレル、CRT,マイク、ヘッドフォン、PS/2、外部ディスケット・ドライブ、拡張バスコネクター、USB、赤外線ポートなど |
PCカードスロット |
TypeI/II×2または、TypeIII×1(CardBus、ZVポート対応) |
寸法 |
幅300×奥行き240×高さ38.5mm |
重さ |
2.5kg(DVD-ROM装着時) |
OS |
Windows 98 |
価格(予想実勢価格) |
オープンプライス(49万9000円) |