カナダのATIテクノロジーズ社は、現地時間の27日、RAGE Proに続くAGP×2対応の2D/3Dアクセラレーターチップ『RAGE
128』を発表した。RAGE 128は、その名が示すとおり同社初の128bitグラフィックスエンジンを採用したもの。0.25μmプロセスで製造され、800万トランジスターを搭載、1チップに2D/3Dアクセラレーター、浮動小数点演算付きトライアングルセットアップエンジン、8KBのテクスチャーキャッシュと8KBのピクセルキャッシュ(同社では“Twin-CacheArchitecture=TCA”と呼ぶ)、DVD(MPEG-2)デコード機能、250MHzのRAMDAC、AGP/PCIインターフェースなどを内蔵している
RAGE128の特徴は、
1. 2つのパイプラインプロセスを並行して動作させることで、1クロックに2ピクセルを描画できる“SuperScalar
Rendering=SSR”を採用
2. SSRを応用して、ベースとなるテクスチャとライティングなどの効果を持たせる情報(サブテクスチャー)を1度に読み込み、1サイクルで2つのテクスチャを貼り付けたオブジェクトを生成、描画する「Single-pass
Multi Texturing=SMT」を搭載
3. AGPメモリーと3Dグラフィックスエンジンの間、および3Dグラフィックスエンジンとフレームバッファー(ローカルビデオメモリー)の間に、それぞれ8KBのキャッシュを持たせることで、テクスチャの読み出しや3Dグラフィックスの描き込みを高速化
4. 従来の動き補完や色空間変換に加え、IDCT変換をハードウェアでサポートしたDVD再生機能を搭載、これでも完全にRAGE
128のみでDVD再生が行なわれるわけではなくCPUの処理が必要になるが、RAGE
Proでソフトウェア再生した場合に比べて40パーセント近くCPUの負荷が減る
など。
RAGE 128には、メモリーバスが128bitの『RAGE 128GL』と同64bitの『RAGE
128VR』の2タイプが用意され、RAGE 128GLはAGP/PCIカード向けに、RAGE 128VRはおもにオンボード向けに、それぞれ出荷される。RAGE
128GLには125MHzのSDRAM/SGRAMを、RAGE 128VRには125MHzのSGRAM(DDR対応)、または143MHzのSDRAM/SGRAMを、それぞれ4/8/16/32MB搭載可能。GLとVRで搭載メモリの動作クロックやモードが異なっているが、これはメモリーバスの差を補うためのもので、同社ではこれでもGLのほうが10パーセントほどVRより高速に動作すると試算している。価格は、1万個ロット時に、GLが40ドル(約5800円)、VRが30ドル(約4350円)となっている。
同時にRAGE 128を搭載したAGPカード『XPERT 128』『RAGE FURY』『RAGE
MAGNUM』『RAGE 128 VR 8MB』が発表された。XPERT 128は『XPERT@Play』や『XPERT98』の後継にあたるコンシューマユーザー向けモデルで、RAGE
128GLに16MBのSDRAMを搭載し、ストリートプライスで199ドル(約2万8700円)とかなり意欲的な価格付けを行なっている。RAGE
FURYはXPERT 128の上位モデルで、RAGE 128GLに32MBのSDRAMを搭載、同じく299ドル(約4万3200円)。RAGE
MAGNUMとRAGE 128 VR 8MBはOEM向け専用で、それぞれRAGE 128GL+32MBのSDRAM、RAGE
128VR+8MBのSDRAMを搭載している。
出荷時期はXPERT 128、RAGE FURY、RAGE MUGNUMのOEM向けが10月、XPERT 128、RAGE
FURYの店頭向け、およびRAGE 128 VR 8MBのOEM向けが11月を予定している(いずれも米国において)。日本ではWORLD
PC EXPO(9月30日~)で一般公開される予定。