KSPネットワークサロン(COMET)は、29日“ウェッブプロデューサー塾”を同サロン内で開催した。今回は番外編として、(有)フロムビッツ代表取締役で同サロン企画委員の川口泰司氏を招いて、世界最大のCG関連のコンベンションである“SIGGRAH
(シーグラフ)98”の視察報告会を行なった。米フロリダ州オーランドにて19~24日(展示会は21~23日)に“開催された“SIGGRAH
98”は今回で25回目。会場となった“Orange County Convention Center”には、3万人の参加者がつめかけたという。
フロムビッツ代表取締役でKSPネットワークサロン企画委員の川口泰司氏 |
会場となった Orange County Convention Center |
どの参加企業もモーションキャプチャーやモデリングアニメーションなど映像に力を入れていたが、今回最も目立っていたのは、米Silicon
Graphics社。ブースの大きさも関連会社の米Softimage社や米Alias社などを含め一番で、常に人が絶えなかったという。
最大ブースのSilicon Graphics社 |
Softimage社では、CGを駆使した最近話題の映画『GODZILLA』や『タイタニック』などの制作工程を紹介し、モデリングアニメーションについて解説していた。
『GODZILLA』の制作工程の解説(モデリング&アニメーション) |
Alias社のブースでは、布や髪の毛、皮膚などをリアルに再現できる『MAYA』を使って制作されたアニメーション『Bingo』の紹介が行なわれた。
Alias社のブースではMAYAをメインに(Bingo) |
このアニメーションは、“SIGGRAH 98”の目玉のひとつであるエレクロニックシアターにて上映された。1000人以上収容可能という大きさが自慢。アマチュア、プロを問わず制作された、質の高いCGアニメーション約40本が上映されていた。合計1時間以上というから見ごたえは十分だ。
映画『トイストーリー』などを制作した、米PIXAR社は、'97年アカデミー賞も受賞したアニメーション『Geri's
game』を上映。無限大に分割することで丸みを帯びるモデリング技術『SubdiVision
Surfaces』を駆使して制作した。
アニメーション『Geri's game』(左)とGeriのモデリング(右) |
『SubdiVision Surfaces』技術 |
そのほか、ハードウェアメーカーでは米Intel社や米Intergraph社などが出展。従来ハイエンドマシンで使用されていたアクセラレーターチップやボードなども展示されており、PCメーカーのCG、3D技術への進出を感じさせた。
高性能ワークステーションIntergraph社 |
日本の企業ではソニー(株)や(株)ナムコなどが出展。ソニーはノンリニア編集システムをデモンストレーションするなどして、技術力を積極的にPRしていた。
インターネット技術を中心にすえていたのは米Sun Microsystems社と米Microsoft社の2社のみ。Microsoft社では『Chromeffects(クロムイフェクト)』というソースコードを解説した。これはストリーミングの新しい見せ方を提案するもの。今までにない方法で、Webコンテンツの展開を可能にする。
Microsoft社のブース(左)と、『Chromeffects(クロムイフェクト)』(右) |
講演者の川口氏は、「今回、特に印象に残ったのは、多くのPCメーカーが、3Dアニメーション技術を積極的にアピールしていたこと。プロのデザイナーが参加者のほとんどを占める“SIGGRAH”は、技術力をPRするもってこいの場なのでしょう。また、インターネット技術関連の出展企業が2社のみと少なかった。これは、CG関連は“SIGGRAH”インターネット技術関連は“インターネットワールド”と、それぞれの分野で特化し始めているからでしょうね」と感想を語った。