トレンドマイクロ(株)は、“ワクチンバンク”と組んで企業向けウイルス対策サービス『eDOCTOR』を9月上旬から開始すると、14日発表した。ワクチンバンクは昨年4月に、トレンドマイクロとソフトバンク(株)とが中心になって設立した団体。現在115社の加盟社のうち、インテック(株)、(株)大塚商会、日立ソフトエンジニアリング(株)などの主要システムインテグレーター(SI)12社が、トレンドマイクロと“プレミアム・セキュリティパートナー”契約を締結する。共同でウイルス対策製品の販売と有料サービスの提供を行なっていく。
サービスを受ける企業は、社内のサーバーに『Trend Virus Control
System ver1.2J』(TrendVCS)をインストールする。このソフトは8月15日に発売されるウイルス対策管理ツールである。TrendVCSは“プレミアム・セキュリティパートナー”の『eDOCTOR』に自動的に接続し、新しいウイルスのパターンなどをダウンロードしてくる。
トレンドマイクロCEOのスティーブ・チャン氏は、「『eDOCTOR』はユーザーとの時間的、地理的条件を超えたリアルタイムのサービス。素早い対応にこそ、ウイルス対策の価値を見出せる」とし、インターネット技術に基づいたセキュリティービジネスモデルの実現への意気込みを語った。
ソフトバンク代表取締役の孫正義氏は、「今後20年の情報産業でのビジョンを考えたとき、最終ステージにはサービスの提供という形が残るだろう。なぜなら、医療・銀行・教育などすべてがネットワーク化された時、ウイルスから環境を守るためのセキュリティーは非常に重要だからだ。またそれがサイバーネットワーク化を進めていく第一歩になるだろう」とした。
『eDOCTOR』では、ウイルスの侵入経路、ユーザー別ウイルス検出数など、『TrendVCS』によって収集された情報を元にして解析レポートが作成される。また、ウイルスに汚染されていると見られる疑惑ファイルはトレンドマイクロの解析センターへ自動的に送信される。年末にはプレミアサービスとして、1日24時間週7日間ノンストップサービスも開始する予定。
『eDOCTOR』の価格はクライアント1台あたり300円/月から、サーバー1台あたり3000円/月から。ウィルス対策管理ツール『TrendVCS
ver1.2J』の価格は1サーバーあたり10万円。
TrendVCSの『ver1.0J』から『ver1.1J』へのバージョンアップについても発表した。“プレミアム・セキュリティパートナー”から既存ライセンスユーザーへ無償で提供される。
(報道局 清水久美子)
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