日本シリコングラフィックス・クレイ(株)は、放送やゲームなどのエンターテインメント産業の関係者向けに“新しいSGIの企業戦略”と題したセミナーを開き、米SGI社のエンターテインメント・マーケット・マネージャーのJeff
Benrey(ジェフ・ベンリー)氏が、SGIの企業戦略およびエンターテインメント産業に対する取り組みについて語った。
ワークステーションのロードマップ
SGIは現在、UNIXワークステーションやサーバー、スーパーコンピューターなどで、年間29億の売上があるが、米インテル社の32bitのCPUを採用したWindowsNT
Workstation搭載機を投入することで、倍増の60億ドルにしたいとしている。同機は、今年中にも発売されるという。搭載されるCPUがPentiumIIになるのかPentiumII
Xeonになるのかといった、具体的な内容については、2~3ヵ月以内に発表するという。また、UNIXワークステーションとしては、R5000-250MHzを搭載した『O2』を今年中に、来年前半にはR12000を搭載した『Onyx2』および『OCTANE』を、来年後半にはR14000搭載機を発売するという。同氏は、「今まで18ヵ月ごとに行なっていたCPUのクロックスピードのバージョンアップを、今後は9ヵ月ごとに行なっていく」と語り、製品開発のサイクルを短縮することを明らかにした。グラフィックシステムも同様のペースで改良していくという。SGIでは、ローエンド向けにWindowsNTマシン、ハイエンド向けにUNIXマシンを考えているという。
エンターテインメント産業について
エンターテインメント産業に関する取り組みについては、同氏は「最近の流行として、テレビを見ながらその番組のホームページを見たりするなど、メディアとして、テレビとインターネットが近づいてきた」と語り、インターネットの重要性を強調した。また、映画に使ったCGをゲームで2次利用するなど、コンテンツの再利用も行なわれているという。同氏は、映画などにCGを使用する利点について、「CGとはわからない映像を少ないコストで作ることができる」としている。映画“タイタニック”のメイキングシーンが上映され、船の甲板上の人の動きにCGが使われているという解説がなされた。同映画のCG制作にSGI社のワークステーションが使われているという。
SGIでは今後、2D/3Dのアニメーションの分野だけでなく、放送分野にも力を入れていくという。松下電器産業(株)のビデオ圧縮フォーマットDVCPROに対応したビデオ機能をサポートする『Onyx2』を今年の夏に発売する。また、高品質テレビHDTVの規格『1080i』および『720p』をサポートしたボードの発売も予定しており、来年中にはすべての主要なビデオフォーマットをサポートするという。
同氏は、「アメリカでのゲームの売上ランキングのトップ10すべてにSGIのワークステーションが利用されている」と述べ、プレイステーション用の人気ゲーム『クラッシュ・バンディクー』を例にあげ「2年前に、4人で6台のSGIのワークステーションを使ってゲームを作り、億万長者になった。SGIの環境が良かったのだと思う」と語り、ゲーム分野での成功にはSGIが必要ということを強調した。(報道局 中山実)
http://www.sgi.co.jp/