日本ヒューレット・パッカード(株)は、5月12日に東京ビッグサイトで開催される“HP
WORLD '98”(主催は日経BP社)で、入場券として使用するスマートカードを公開した。同イベントは、同社とそのベンダーが、新製品や新技術などをユーザーに紹介するものだが、その入場券に電子マネーの記録媒体として注目を集めているスマートカードを採用した。“有明スマートカード・プロジェクト”と名付けられたこの試みは、予想入場者数5万人を対象とするもので、世界最大規模のスマートカードの実験になるという。
入場者は、入場時に名前、社名と、何に関心があるかというアンケートに回答すると、これらのデータがインプットされたスマートカードを渡される。入り口に置かれた“HP
Worldナビゲーター”にスマートカードを通すと、アンケートの回答に基づいて、入場者の関心のあるブースが表示される。また、会場内の各ブースにカードリーダーが置かれ、各ブースを回るとバーチャルマネーがスマートカードに加算される。セッションに参加してもバーチャルマネーが加算され、そのお金で、買い物や抽選などが楽しめる。また、訪問したブースの一覧表を出力することもできる。
今回使用するスマートカード自体には、CPUは搭載しておらず、メモリーは1KB、登録される情報は、入場者の名前、社名、アンケートへの回答、訪問したブースの情報、バーチャルマネーの5つ。スマートカードを1枚発行するのに十数秒かかるため、入場受付の混雑を緩和するために、受付窓口を通常のイベントの4倍程度の40ヵ所設置する予定。同社では、「スマートカード1枚あたりにかかるコストは数百円」と説明している。(報道局 佐藤和彦)
http://www2.nikkeibp.co.jp/event/hp/