(株)ジャストシステムは、『ConceptBase Search for Lotus Notes』を発表、5月末に出荷を開始する。同製品は、'97年12月に発売した“類似情報抽出システム”『ConceptBase
Search』を、ロータス(株)のグループウェアソフト『Lotus Notes』に対応させたもので、複数のノーツサーバーやノーツデータベースを一括して検索できるうえ、ノーツ文書だけでなく添付ファイルも検索することも可能という。また、文書の検索や参照に関しては、『Lotus
Notes』のセキュリティー機能に対応しているため、従来どおりの安全性が確保できるという。
また、同製品の発売とともに、両社は今後、技術協力および共同マーケティングを行なうことも発表した。技術協力の内容は、定期的な技術情報の交換、技術情報ホットラインの設置、ベータテストや製品の評価を相互に行なう、など。また、共同マーケティングでは、共同セミナーの実施、共同トライアルプログラムの実施、販売チャンネルの共有などで、今後3ヵ月間に、ノーツユーザー向けの共同プロモーション、5月に開かれるノーツコンソーシアムでのテクニカルセミナー、6月に開かれるロータス新製品セミナーへの『ConceptBase
Search for Lotus Notes』の出展などを実施する予定。
同製品は、サーバー用がWindowsNT Server4.0に対応、クライアント用がWindows95/NT
Workstation4.0に対応している。価格は、基本ライセンスとして1サーバー20クライアントで275万円、31サーバー以上では475万円となっている。また、追加ライセンス料として10ライセンス16万円から。初年度目標は、10万クライアント、20~30億円の売上を見込んでいる。
記者発表には、(株)ジャストシステムの浮川和宣社長に加え、ロータス(株)の菊池三郎社長も出席、菊池氏が「ジャストシステムとは、別のデスクトップ製品に関して、後日改めて発表がある」と発言したこともあり、両社の提携関係に関する質問が相次いだ。
・両氏への質疑は以下のとおり
----ジャストとロータスは、表計算などで競合しているが、今回提携に至った経緯は?
浮川「ロータスとは、長い時間をかけて製品開発を行なってきた。これからは、共同でプロモーションも行なっていく。メリットがあれば力を合わせてやっていく。表計算は、ジャストは最後発のメーカーでマーケットシェアもちっぽけなものだと思う」
菊池「ロータスはワープロも作っているが、それでもジャストが『一太郎』、ロータスが『1-2-3』というのは自他共に認めるところだと思う。いい面をお互いにインテグレーションしていけばいいと思う」
----ワープロと表計算で、両社で棲み分けを行なうのか?
菊池「ユーザーの立場からすると、いろいろな製品があって、競合する中から、いい製品を買ってもらえぱいい」
----ロータス以外のグループウェアへの対応版の開発は予定しているか?
浮川「初めに『Lotus Notes』版を出したのは、ロータスと提携したのは、営業、開発、サポートなどでもっとも優れていると判断したからだ。他のグループウェア製品のベンダーやユーザーからも、『ConceptBase
Search』を対応させて欲しいという要望はすでにきている。ビジネスなので要望がある以上、進まざるを得ないと考えている」
----両社で販売チャンネルを共有するというが、共同で新会社を作る計画はあるのか?
浮川「新会社の設立は考えていない」
----ロータスとジャストシステムが資本面での提携を行なう可能性はあるか?
浮川「そういった話はまったくない」
----デスクトップの新製品で、発表があると述べたが、『一太郎』と『Lotus1-2-3』を統合したオフィス製品を発売するのか?
菊池「その点については、場を変えて、後日改めてお話したい」
両社が共同で開発するデスクトップ関連の新製品は、連休明けすぐに発表される予定だが、その新製品が『Lotus1-2-3』と『一太郎』を統合したオフィス製品かどうかに関しては、両社長ともに明言を避けた。(報道局 佐藤和彦)
http://www.justsystem.co.jp/news/98f/index.html