アップルコンピュータ(株)は26日、“MACWORLD EXPO/NEW YORK 2000”において発表された一連の新製品群を都内のホテルで初公開した。
製品の詳細については、すでにさまざまな報告がなされているので、各製品ごとに詳細を解説する。本稿ではPowerMac
G4 Cubeについて報告する。
G4のパフォーマンスを凝縮した“8inch Cube”
今回、発表された新製品群の中で最も注目を集めているのが、『PowerMac G4Cube(パワーマックジーフォーキューブ)』だろう。同社によれば、PowerMac G4 Cubeはコンシューマーのためのマシンだという。「“PowerMacintosh”とか“PowerMac G4”という呼ばれ方ではなく、iMacのように“G4 Cube”という指名のされ方で、Windows ユーザーの方にも欲しいと思われるモデルになったと考えている」としている。
確かにPentium IIIにも負けず劣らないPowerMac G4のパワーを8インチ(約20cm)の小さな筐体に凝縮し、スタイリッシュなiMacのデザインと融合させた新発想のマシンに仕上がっている。
G4 Cubeの前面。スロットローディング方式で排出される。確かにトースターのようだ |
G4 CubeのDVDスロットは上部に設けられており、まるでトースターのごとく(もちろん飛び出しはしないが)DVDディスクが排出されるスロットローディング方式となっている。このスロットから埃は入らないのか、との質問に「高い気密性を保っており、埃の入る余地はない」(同社パワーマッキントッシュ担当課長、鯉田潮氏)とのことだ。
G4 Cubeの上面。このようにDVDスロットは手前、排気口は中央に配されている |
もちろんAirMacにも対応している。本体の内部に装着されたアンテナは、エンクロージャーの部分についているセラミックパッチと非接触で電波を増幅させる仕組み。
G4 Cubeはアップルの音へのこだわりの結晶?
G4 Cubeは、PowerPC G4プロセッサーという高性能(つまり高い発熱量)なCPUを搭載しながら、iMac同様、冷却ファンのない仕様となっている。排気は、上部に設けられた排気口より排気する仕組みとなっており、内部構造による対流により、うまく排気される構造になっている。冷却ファンのないことから、19dBという静粛性(通常の会話は60dB程度)を保つことに成功している。この静粛性と対をなすように、高い音質を持つハーマンカードン社製のオーディオシステムもG4 Cubeの魅力だ。
ハーマンカードン社製のスピーカー(右)とデジタルアンプ |
このアップルのデザインによるスピーカーは、球形に近い形状をもったスピーカー部分と、USBで簡単にG4
Cubeに接続することができる板チョコのような筐体のデジタルアンプで構成されている。
会場で、このシステムだけでの試聴が行なわれたが、とてもコンピューターのスピーカーとは思えないような、迫力あるサウンドが引き出されていた。こうした音にこだわったマシンは、以前、20th
Anniversary Macintoshというものがあったが、アップルのサウンドとムービーへのこだわりは他を引き寄せないものがある。
簡単に取り外せるコア部分で、内部へのアクセスも容易
キューブを形成するマシンのコア部分は数秒で筐体から引き出すことが可能で、内部へのアクセス、メモリーやAirMacカードの装着などが従来のiMacやPowerMac G4のように簡単に行なえる。引き出された中身は、戻す向きを判別するために内側と外側の両方にオレンジのマークが施されている。G4 Cubeの底面。端子類は筐体底面に集中している。中央に取っ手があり、簡単に引き出せる |
また、G4 Cubeは、FireWireおよびUSBポート(各2ポート)、10/100 BASE-TEthernetおよび56K
V.90モデムを標準搭載しており、Apple Pro Mouse、Apple ProKeybordが付属する。さらにコンシューマ向けデジタルビデオ編集ソフトウェア『iMovie
2(アイムービー2)』があらかじめインストールされている。
Power Mac G4 Cube/450MHz(1.5GBまで拡張可能な64MBメモリー、20GBのストレージ)は19万8000円で8月中旬より、Apple
Storeおよびアップルの正規販売代理店を通じて販売される。Power Mac
G4 Cube/500MHzについては27万8000円で8月中旬より、AppleStoreのみで販売される。