米インテル社の副社長でネットワーク・コミュニケーション事業本部長を務めるマーク・クリスチャンセン(Mark
A. Christensen)氏が21日に来日。国内のプレス関係者を対象に同社のネットワーク戦略について説明した。
マーク・クリスチャンセン副社長 |
インテルは、近年ネットワーク関連製品に力を入れており、(1)100BASE-TX/Gigabit
Ethernet、無線LANなどのコントローラーチップ、(2)IPパケット処理などを行なうネットワークプロセッサー、(3)企業や通信事業者向けのチップ製品などを提供している。
会見で、クリスチャンセン氏は、音声IPやビデオ動画など、ネットワーク上で伝送するデータが多様化する中、セキュリティー、ポリシー管理、帯域保証(QoS)などインテリジェントなネットワークが必要となってきていることを指摘。ひとつのハードでさまざまな機能を実現するために高い処理能力が必要とされるとともに、新サービスや新機能への柔軟性を高めるために従来のカスタムチップではなく汎用性のあるネットワークチップが必要となると述べた。
同社は'99年9月に“Intel Internet Exchange Architecure”を構想。XeonプロセッサーとStrong
ARMベースのネットワークプロセッサーを利用した汎用性のあるシステムの提案を開始したという。同氏は、市場の変化に迅速に対応できる、耐用年数が長い、低消費電力であるため1~100個までの広範なシステムに対応できるなど、ネットワークプロセッサーの特徴を説明した上で、販売中のIXP1200が市場から非常にいい反応を得ていると述べた。
また、家庭内のネットワークに関しては、従来のアナログモデムから、xDSL、ケーブル、HomePNAなど、安価で高速な環境が整いつつあり、今後は通信が水道やガスと同レベルの標準的なインフラになると予測。年内には日本市場向けにHomeRFに対応した無線LAN製品も提供していきたいとした。また、同氏は国内でNTTが中心になって光ファイバー網を整備している点に触れながら、「インテルは(光レーザーの技術は持っていないが)、カスタマートラッキングやIPフォーマットなどネットワーク装置のデータ部分の技術を提供したい」と同市場に対する意欲を示した。