デバイスメーカーのアナログデバイセズ社は13日、同社の2000年度第2四半期の決算で、前年期比で71パーセント、5億8100万ドルという増収増益を達成したと発表した。Executive
Vice President兼ワールドワイドセールス担当Vice Presidentのブライアン・マカルーン氏が来日し、業績と日本市場の戦略について説明した。
アナログデバイセズのExecutive Vice President兼ワールドワイドセールス担当Vice President、ブライアン・マカルーン氏 |
'99年におけるワールドワイドのアナログIC市場は210億ドルだった。そのうち高性能タイプのアナログICは70億ドルを占めた。同社が得意とするDSP、高性能アナログIC分野は引き続き拡大するという。また、アナログIC市場は、データプロセッシングからシグナルプロセッシングへと移行していくと予測。
同社でもシグナルプロセッシングは急拡大している。特に、DSP、VOIPなどの伸びは目覚しく、この分野では'99年で70パーセント、2000年は100パーセントの伸びを見込んでいる。アナログICのセールスから分類した内訳は、アンプが29.5パーセント、コンバーターが33.5パーセント、パワーマネジメントチップが8.7パーセント、そのほかで約30パーセントという構成。コンバーターはシェア1位の4.5億ドルと堅調だ。
分野別の動向を見ると、インターネット利用者が拡大したことにより、ここ5年で通信分野の市場が広がってきたという。'95年と2000年での相対比率を比較すると、20パーセントから50パーセントに増加している。今回、業績が大幅に伸びた要因は、無線や広帯域通信での使用が加速したためであると分析。同社では、携帯電話RFシグナルコンバーター、ADSLのチップセット、アンプなどを提供している。
日本アジア地域でのセールスを分析すると、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、DVDプレイヤーなどの製品が伸びを示しており、同社のデバイスが高いマーケットシェアを獲得している。売上は28パーセントから35パーセンに増加。三菱電機、ソニー、東芝、日本電気といった大手メーカーが同社の製品を採用している。
「今期は同社にとって非常に好調に推移した。今年の収益予想を上方修正し、24億ドル以上の収益を見込む。新製品の売上も25パーセント以上伸び、設備投資も増やして新技術に備えていく」という。