オートデスク(株)は12日、キャダムシステム(株)のCAD/CAM製品『MICRO
CADAM』シリーズのユーザーを対象に、オートデスクのCAD/CAM製品への乗り換えサービスを行なうと発表した。
オートデスクが用意する製品は、2次元/3次元対応の汎用CADソフト『AutoCAD』や機械系3次元CADソフト『Mechanical
Desktop』など4シリーズ。乗り換えサービスの対象となる『MICRO CADAM』では、プラットフォームやバージョンは問わないが、MICRO
CADAMライセンス証書、またはその写しが必要となる。アップグレード価格は12万円~19万円で、オートデスク製品の正規ユーザーに対するアップグレードメニューと同等の価格を設定した。
また、リセーラーと協調してデータ変換ソフトなど移行ツールを提供するほか、同社のウェブサイトに乗り換えユーザー向けのサポートページを用意する。移行ツールの第1弾として、リセーラーの1社であるコベルコシステム(株)が、MICRO
CADAMのデータをオートデスク製品向けに変換するツール『DEKIMAS-MC
Light(仮称)』を50万円で販売する予定だ。また、ウェブサイトのサポートページでは、同ソフトをベースとしたオンラインデータ変換サービスを8月下旬に開始する見込みという。
上記価格設定での乗り換えサービスの期間は7月12日から、2001年3月末日まで。リプレースの目標数は1万本。
MICRO CADAMの三次元設計機能のサポート停止、CATIAへの移行パスを「千載一遇のチャンス」と語る、オートデスク代表取締役社長の志賀徹也氏。「1つの会社が2つのソリューションをサポートするのは困難だろう。お困りのユーザーを放っておく手はない」 |
オートデスクが採ったアップグレード戦略は、CSC、日本アイ・ビー・エム(株)、米ダッソー・システムズ社の3社が6月に発表した、CAD製品の製品統合を目指す業務提携を受けてのもの。この提携により、CSCが『MICRO
CADAM』の3次元設計機能(Helix 3D)の開発を中止したほか、ダッソー・システムズ社の3次元CAD/CAM製品『CATIA
V5』をその後継製品に位置付けて移行パスを用意するという。
また、2次元設計機能(Helix 2D)については、そのメンテナンスとサポートは今後も継続するが、新しい機能の開発や機能拡張については『CATIA
Interactive Drafting』上のモジュールとして開発する予定だという。
だが現在、この3社は『CATIA V5』への移行パスの詳細を明らかにしていない。オートデスクは、技術・運用面でのサポートメニューをいち早く揃え、さらに移行コストを優遇することで、『MICRO
CADAM』ユーザーの乗り換え需要を吸収し、シェア拡大を目指す。